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読書の秋にオススメ「地中図書館」で “おこもり” 本ざんまい/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2023.09.03 11:00 最終更新日:2023.09.03 11:00

読書の秋にオススメ「地中図書館」で “おこもり” 本ざんまい/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

クルックフィールズ・地中図書館

 

 図書館めぐりにハマっています。最近はコンセプトを持った個性的な図書館が増えており、蔵書を読んだり借りたりするだけでなく、どんな図書館なのかを見ること自体に胸が踊ります。

 

 私の図書館めぐりは、埼玉県所沢市東所沢に2020年にできた「角川武蔵野ミュージアム」がきっかけでした。

 

 

 図書館・美術館・博物館が融合したこの文化複合施設は、視覚的にも内容的にも圧倒的な文化発信施設。より世界を読み解くための「9つの文脈」にそって、約2万5000冊の本がオシャレに並んでいるのを見た最初の衝撃は今も忘れません。

 

 佐賀県の「武雄市図書館」にも行きました。TSUTAYAやスターバックスが入ったことで全国的に話題になったこちらは、JR武雄温泉駅から徒歩10分。名山の御船山が後ろにあり、環境抜群。開放的でおしゃれな図書館内部を見学に観光客も多く訪れます。

 

 会員カード登録をすれば、誰でも蔵書を借りることができます。ホテルの部屋で借りてきた本を読み、疲れたら温泉、そしてまた読書する楽しみを教えてくれました。

 

 そして、最近見つけたお気に入りの図書館は、こちら。

 

 車で東京からアクアラインを利用して約1時間半。 東京湾に面した千葉県房総半島の玄関口、木更津市の山間に広がる「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」。

 

 東京ドーム約6個分の敷地のなかにオーガニックファーム、酪農場、レストランやカフェ、ショップや宿泊施設があり、循環型農業をベースに、持続可能な社会に向けた活動を日々実践しています。こちらのオーナーは、音楽プロデューサー小林武史氏です。

 

 ここに今年2月16日、オープンしたのが「地中図書館」。クルックフィールズのメンバーシップ制度に登録したうえで、利用はWEBからの事前予約制になっています。

 

 自然豊かな敷地内の傾斜を使い、地中図書館は洞窟のように存在し、ドーム状のホールを備えています。敷地の上から見ても図書館は見えません。木や草花が生い茂る土の下に、ひっそりと隠れています。

 

 案内板に導かれて進むと、ガラス張りのファサードの奥に本棚がズラリ。建築はNAP建築設計事務所の中村拓志氏。「農夫が使う本棚、農場の中にある図書館」がコンセプトだそう。

 

 小さいながら心地よいスペースが私の好きな点です。本棚には8000冊の本が入るスペースがありますが、今のところは3400冊ほどの冊数となっており、今後入れ替えや本の追加を検討しているとのこと。

 

 本棚には、自然や農的な暮らしに関するものを中心に、詩や哲学、歴史、宗教、科学や経済に加えて画集や絵本、レシピ本などがジャンルごとに分かれてゆったりと配架されています。

 

 公共の図書館のようなナンバリングはされておらず、独自のつながりが感じられる本棚。選書家・川上洋平氏を中心に本好きのスタッフで並べたそうです。

 

 本のセレクションにセンスのよさを感じますが、空間が心地いいのが特徴です。

 

 奥には階段式の読み聞かせスペースがあり、ドーム状の壁一面に本が並びます。中庭に面した空間には、本棚と一体化したようなソファー席や小部屋があり、好みの場所で本を読めます。

 

 腰かけてみると、繭か何かに包まれている蚕の気持ち。不思議と落ち着いて読書に集中できます。地中にありながら、太陽の光が差し込むホールや頭上から光が優しく差し込むからかもしれません。

 

 ソファー席からガラス越しに外を見ると、土とそこから生えている草や花が、目の前だけでなく頭の上にあるので、今度はモグラが土の中から外をのぞいているような感覚に。図書館の前にはあえて、樹木も草原も自然のままに残してあります。

 

 いつかクルックフィールズ内の宿泊施設に泊まって、読書ざんまいをしてみたいものです。

 

 それにしても、最近の新しい図書館は使い勝手だけでなく、館内の雰囲気もとてもよくなっています。

 

 ご参考まで、私が日頃、時間つぶしにも使っているオススメの都内の区立図書館を3つあげておきます。

 

(1)中央区の京橋図書館「本の森ちゅうおう」

 

 2022年12月に中央区立郷土資料館とともに新設された複合施設「本の森ちゅうおう」内に移転しました。約2万6000冊の戦前図書の所蔵と地域資料室が充実しているのが特色ですが、館内の設えがおしゃれで、つい長居をしています。

 

(2)港区・札の辻スクエアの「三田図書館」

 

 2022年4月に新築のビルにオープンしたところです。以前あった場所より少し遠くなりましたが、それでもJR田町駅から徒歩で5分。港区立図書館として最大の面積で最多の蔵書を持っているので、調べ物をしたいときなどに、とても便利です。

 

(3)江東区、美しい清澄庭園の並びに立つ「深川図書館」

 

 2009年に100周年を迎えた歴史ある図書館。今年改修を終えたばかりですが、レトロな外観や内装はそのままに、使いやすさも両立しています。近所にある東京都現代美術館の展覧会に出かけたついでに散歩も兼ねて足を延ばしてしまいます。

 

 まだまた酷暑は続きそうですが、やがてくる秋には、ぜひ素敵な読書を図書館で――。

横井弘海

東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

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