芸能・女子アナ
南沢奈央「落語は生活の一部」最初の高座ではリハで大泣き/女子アナ日下千帆の「私にだけ聞かせて」
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2023.11.05 16:00 最終更新日:2023.11.05 16:00
2023年も残すところあと2カ月。毎日が飛ぶように過ぎていきますが、文化の秋に新たな趣味をひとつ加えると、1日をより充実させることができるかもしれません。江戸時代の文化が学べる落語などいかがでしょうか?
今回、お話を伺ったのは、女優の南沢奈央さん。高校1年生のときから落語の面白さにはまり、いまでは落語が生活の一部になっているそうです。
南沢さんは、埼玉県出身。高校1年生のときにBSドラマ『恋する日曜日 ニュータイプ』でデビュー。その後、ドラマ、映画、舞台、CMと幅広く活躍されています。2013年、立教大学現代心理学部を卒業されましたが、卒論テーマは『落語における名人論』でした。
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――どのようなきっかけで女優になったのですか?
「実は、女優になりたいとか、芸能界に入りたいなどとは、まったく考えていませんでした。中学3年生のある日、学校から帰ってきたら、自宅の前で突然、スカウトされたのです。
高校1年生でデビューしたとき、主演でBSのドラマに出演したのですが、それまでにお芝居を学んだこともありませんでした。いきなり現場に出されたので、どう振る舞っていいのかまったくわからない状態で、本番前に台本を持っていたら『セリフは覚えてきて』と怒られてしまいました(笑)。当時は、共演者の方々にたくさん教えていただきました」
――学業と女優業の両立は大変だったと思いますが、クラスメイトの反応はいかがでしたか?
「それが、高校3年生までまったく気づかれなかったんですよ。大学受験が終わって、卒業式で久しぶりに友人たちと会ったとき、初めて『あれは奈央ちゃんだよね』と言われました。ちょうどその頃、『赤い糸』という作品で、ドラマと映画のW主演しました」
――落語にはまったきっかけは?
「高校1年生のとき、佐藤多佳子さんが書いた『しゃべれども しゃべれども』(新潮文庫)という小説を読んだことがきっかけです。
転校してきた小学生や会社員、テニスコーチといった、うまく自分を表現できない不器用な登場人物たちが、落語を学ぶことにより成長していくストーリーです。
これを読んで落語にはまりました。よくCDで落語を聞いていますが、耳からの情報だけなのに、映像を見ているかのように感じられます。
また、寄席に行き、視覚情報が入ると、座布団や扇子、手ぬぐい1枚ですべてを表現している面白さがあり、芝居にも役立ちます。行き帰りの電車のなかはもちろん、家でも落語を流しっぱなしにしていますが、話のテンポがいいので家事が捗ります」
――高座に上がって、落語を披露されたこともあるそうですね。
「はい。これまでに2度、経験しました。インタビューを受けた際に、いつか落語をやってみたいと言い続けたら、チャンスをいただくことができました。
1度めは20歳のときで、柳亭市馬師匠に直々に稽古をつけていただきましたが、リハーサルで高座に一人で座ったら、緊張で何も出てこなくなって、泣き出してしまいました。本番はなんとかなりましたが、お客様のリアクションを聞かれても、まったく記憶がないのです。これでは笑っていただけないとへこみました。いまでもトラウマになっています。
2度めは、昨年です。11年ぶりに挑戦させていただきました。今回はお芝居の経験を積んでいたので、自分なりにやってみようという気持ちになれました。客席のリアクションもしっかり見えて、楽しくできました。ちなみに、高座名は『南亭市にゃお』です」
――お芝居との違いは?
「落語は演じなくていいんです。声色も変えない。間をうまく使って、筋を伝えます。どちらかというと、私自身は落語より、ひとつの役に集中するお芝居のほうが向いているように感じます」
――いまも寄席に行かれますか? 好きな寄席はありますか?
「月に1回は寄席に行っています。好きな寄席は、新宿の末廣亭です。提灯や桟敷席という昔ながらの雰囲気が好きですね。上野の鈴本演芸場もいいですよ」
――初のエッセイ集『今日も寄席に行きたくなって』(新潮社)は、そうした落語の魅力を中心に書かれているのですか?
「演目を紹介したり、落語に関連した映画や漫画・舞台についても書いていますが、単に情報を紹介するというより、私自身の熱量や気持ちを伝えている面のほうが強いです。月刊誌『波』(新潮社)で3年間連載を続けたなかから厳選して収録しています。落語をよく知らない方にも読んでいただきたいですね」
――今後の舞台のご予定は?
「来年3月、『メディア/イアソン』というギリシャ悲劇で、王女メディア役を演じます。井上芳雄さんとのW主演です。悲劇ではありますが、ファンタジー要素も入った、人間味あふれるドラマです。世田谷パブリックシアターと兵庫県立芸術文化センターで開催されます」
お芝居、落語、エッセイとこれからも表現の幅を広げていきたいと話す南沢さん。舞台の成功を祈念いたします。
■落語を楽しむための3カ条
(1)事前情報不要! 肩肘張らずにまずは聴いてみて!
(2)噺の内容はもちろん、落語家さんの細かい仕草や表現にも注目すべし!
(3)と言いましたが、落語を聴くときにはそんなことを忘れて、思いっきり声を出して笑ってください!
1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当するほか、supercareer.jpで個人向け講座も
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