オリエンタルラジオの中田敦彦が11月11日放送の『俺の持論』(テレビ朝日系)に出演し、オリエンタルラジオの知られざる試行錯誤について語っていた。
デビューしてすぐに『武勇伝』のリズムネタでブレイクしたオリラジ。当時、先輩芸人や同業者はこんなの芸人ではないと、全否定。周りの意見に耳を傾けた中田は10年間ほどオーソドックスな漫才ネタにチャレンジしていたという。
しかし「この期間は全然認知されていない」と中田は発言。「『漫才やってなんぼ』って言われて頑張っていた。でも結果が出なくて、苦しい。(本当に)『このやり方であってますか』と」
あるとき中田が「YouTube」を検索したところ、普通の芸人は上位に芸人の漫才ネタがくるところだが、オリラジは違っていたという。
「当時、検索するとネタではなくバラエティでふざけてるものが出てくる。(ネットは)再生回数が多いものが評価される。みんなが見たいオリラジを知ろう」
中田によれば、そのなかでも特に歌ったり踊ったりしている動画の再生回数が増えていることに気づいたのだという。
「歌って踊ってふざけたほうが、一生懸命稽古したネタより見られている。最初はショックを受けた。そんなに漫才つまらないんだって。よくよく考えたら、『ふざけてるほうが向いている?』『単純に漫才が向いてないんじゃないか』と」
同時期に8.6秒バズーカが登場。中田の考えは確信に変わったという。プライドを捨て、8.6秒バズーカのネタを完璧に再現するというネタにチャレンジした。
「後輩のネタをパクってプライドないのか?」と非難されたものの、2000万回再生を記録したという。
「ただふざけてた方が一生懸命作った漫才よりも再生される。これでいいんだと思った。『芸人ていうのはこうだろ』というものからはみ出したときに、僕らは楽しんでもらえる」
その後、中田は「RADIO FISH」を結成。発表した楽曲『PERFECT HUMAN』は5000万回再生を叩き出し、紅白出場まで果たした。
番組で中田は、「みんなに楽しんでもらうのが一番。何も話題にならない漫才を10年やってたことに比べればめちゃくちゃ嬉しい。10年漫才やっていたことを後悔した。『遠回りしたなあ、俺』」としみじみ語っている。
最近では、コメンテーターとしても活躍し、活動の幅を広げた中田。本人は遠回りした10年としているが、今もテレビで生き残っていることを考えれば、決して無駄な時間ではなかったといえるだろう。