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「青春のすべてが詰まっている」岡田奈々、成長の原点は贈られた「ミニチュア衣装フィギュア」…恩師・秋元康の後を追って作詞家デビュー

芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2024.11.30 06:00 最終更新日:2024.11.30 06:00

「青春のすべてが詰まっている」岡田奈々、成長の原点は贈られた「ミニチュア衣装フィギュア」…恩師・秋元康の後を追って作詞家デビュー

岡田奈々(写真・福田ヨシツグ)

 

――岡田奈々って、どんな人?

 

「詞を書くのが好きで、歌うのはもっと好き。堅物で真面目。せっかちで負けず嫌い。それが、私です(笑)」

 

 ちょっとだけ、はにかんで笑った彼女に「もしも自分が男だったら、岡田奈々を好きになる?」という質問をぶつけると、即座にきっぱりと首を横に振った。

 

「何かアイデアが浮かんだり、誰かを好きになったりすると、そのことしか考えられなくなるんです。“あぁ、またやってる” と思いながら、ついつい目の前のことしか見えなくなっちゃう。自分でも、面倒くさい人間だなと思うのですから、ほかの人は……」

 

“もっとですよね” という言葉を飲み込んだ岡田だが、ファンはそんな彼女の嘘のない言葉に惹かれ、真摯な生き方に自分を重ね合わせながら応援し続けている。

 

 

 AKB48の卒業公演で、衣装さんがプレゼントしてくれた手作りのミニチュア衣装フィギュアにも、“今までありがとう” “これからも応援しているからね” という想いがこめられている。

 

「卒業公演のドレスを囲むようにセンター曲、ソロ曲、研究生のときに着ていた衣装が並んでいて、サングラスと土台になっている帽子は、私が初めてセンターを務めることになったAKB48、51作めのシングル『ジャーバージャ』で着用したものです」

 

 ベッドルームに置いてあるというそのミニチュアには、14歳でデビューし、前だけを向いてただがむしゃらに突っ走ってきた岡田の青春のすべてが詰まっている。

 

「初めてソロで『虫のバラード』を歌ったときのこと。2度めのセンターを務めた『根も葉もRumor』で、日本レコード大賞の舞台に立てたこと。第4回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦で優勝できたこと……胸が熱くなるシーンはたくさんありますが、真っ先に思い出すのは悔し涙を流した苦い思いです」

 

 ダンスがうまく踊れず、トイレにこもって悔し涙を流したこともあった。声帯結節の手術を受け、ステージに立てずに一人悶々とした日々もあった。不器用な恋に傷つき、心が折れそうになるほどの激しいバッシングを受けたこともあった。それでも挫けなかったのは――。

 

「ひとつは、歌うことの楽しさを教えてもらったこと。もうひとつは、こんな私の歌を楽しみに、ずっと応援し続けるファンの方がいてくださること。そのふたつが、私のエネルギー源です」

 

 飾らず、ありのままの想いを言葉として届けたい――。その気持ちが歌うだけではなく、1stソロアルバム『Asymmetry』に収められた全13曲の作詞を担当するという、表現者としての岡田を生み出した。

 

「マネージャーさんから『詞を書いてみたら?』と言われたときは、絶対に無理だと。秋元(康)先生と同じことはできないと腰が引けていたんですけど(苦笑)、やってみたら楽しくて、気がついたときには沼にハマっていました」

 

 ご飯を食べていても、お風呂に入っていても、言葉が浮かんだら、すぐにスマホにメモ。後でわからなくならないように、ピンで固定したメモの数は500を超えている。

 

「語彙力もないし、秋元先生のような才能もないし……最初は、作詞・岡田奈々という表記が、なんだか小っ恥ずかしくて。体が痒くなる感じでした(苦笑)」

 

 そう言って、恥ずかしそうに肩をすくめた岡田だが、11月27日にリリースされる2ndアルバム『Contrust』も、全曲を作詞した。

 

「ありのままの自分……私はみんなが思ってるようないいコじゃないというのを赤裸々に書いたのが最初のアルバムで、『Contrust』は弱い自分をしっかりと受け止めたうえで、前を向いて生きていきたいという想いをこめて作ったアルバムです」

 

 1stアルバムを出した後、「次はみんなを笑顔にできるような、キュンとする曲を書きたいですね」と言っていた岡田だが……。

 

「言い……ましたね。(笑)。楽しいことをたくさんして、人生を豊かにして、聴いてくださった方がハッピーになれるような作品を作って歌いたいって言ったんですよね」

 

――期待していいですか?

 

「この1年、体調を崩してお休みしていた期間もあったので、100パーセント胸がキュンとする歌ばかりではありませんが、私自身にとっても、聴いてくださった方にとっても、希望になるようなアルバムになっています。そこは、自信があります」

 

 目標は、ペンライトを振る手が止まってしまうほど聴き入ってしまうような、優しくて豊かな詞を書くこと。そして、その歌を歌えるアーティストになること――。

 

 岡田奈々はしなやかに、そして、したたかに自分自身を表現していく。

 

おかだなな
1997年11月7日生まれ 神奈川県出身 2012年にAKB48第14期生のオーディションに合格。58thシングル『根も葉もRumor』でセンターポジションを務めるなど、AKB48の顔として活躍する一方、ミュージカル、ソロとしても活動。2023年4月2日に卒業。2023年11月にアルバム『Asymmetry』でソロデビュー。2024年11月27日、2ndアルバム『Contrust』をリリース

 

写真・福田ヨシツグ 取材&文・工藤 晋

( 週刊FLASH 2024年12月10日号 )

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