この連載のタイトルは「美女は友達」ですが、美女といえばミス日本。ミス日本といえば……私にはミス日本のタイトルホルダーのお友達がいたではないかと思い出したのがフリージャーナリストの大高未貴ちゃん。
お互い多忙でしばらくお会いしてなかったのですが、これは連絡するいいチャンスと思い、登場していただくことにしました。
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「ピュアな志による願いは必ず叶う」これが、未貴ちゃんが10代の頃からずっと信じているモットー。ミス日本に選ばれ、目標のジャーナリストになるまでのシンデレラストーリーが、それを裏打ちしています。
横浜のお嬢様学校、フェリス女学院大学に通っていた頃、CAを目指していましたが、身長の低さと視力の悪さで断念。中東やアフリカに行ってみたいという強い思いが断ち切れず、JTBの子会社、ディスカバーワールドという会社を見つけだしました。
しかし、採用試験はすでに終了。普通の学生ならここであきらめるところですが、中東にかける熱い思いを綴ったラブレターを採用担当者に送り、特別に試験を実施してもらったそうです。
「熱意が買われて入社が決まったのですが、研修旅行でイスラエルとパレスチナに滞在した際、パレスチナの暴動に遭遇して鳥肌が立ちました。そこで初めて、私がやりたい仕事は、実はジャーナリストだったと目標がクリアになったのです」
その後、少しでもマスコミの仕事に近づくため、社員の地位を捨てて、大手広告代理店のシンクタンクで時給1000円のバイト生活を始めます。
収入が不安定で苦しい時期でしたが、「逆境にこそチャンスがある」と信じる強い心を持っていました。そんななか、ふと手にしたミス日本のチラシに書かれていた「国際親善」という文字に目がとまりました。
「チラシに、ミス日本が20人以上も写ってるんですよ。一人じゃないならチャンスはあるかもしれないと思いました。声をあげることができない人たちのメッセージを、ジャーナリストとして世の中に届けるため、ミス日本のタイトルが欲しい、と神様にお願いしました」
信じていたとおり、ピュアな志による願いは叶えられ、見事1994年の「ミス日本国際親善」に選出されたのです。
ずいぶん簡単にミス日本になったように聞こえますが、「そんなことないよ。身長が足りないから踵(かかと)の下に消しゴムを敷いたり、髪をアップにして、なかに餡子をたくさん入れたりして。私、頑張ったんだよ」
他の出場者はもっと頑張っている気もしますが、これは未貴ちゃんのふだんからの努力の結果、もしくは神様の采配なのでしょう。
受賞後、副賞の旅行でトルコに行き、そのままイスラエルに立ち寄って取材をしていると、折よくアラファト議長が帰国。幸運にもインタビューに成功します。
その記事は小学館の『SAPIO』という雑誌に掲載され、念願のジャーナリストデビューを果たしたのでした。
現在は、『DHC虎ノ門ニュース』(隔週水曜日20時から生放送)というウェブニュース番組でキャスターを担当し、ニュース解説をしています。
強い意志で人生を切り開いている未貴ちゃんですが、話し方はそれを微塵も感じさせないほど、おっとり系です。そのギャップを楽しみたい方は、ぜひ番組をご覧ください。彼女こそ、欲しいものを次々に手に入れていく強運の美女です。
●日下千帆(くさかちほ)
1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社し、編成局アナウンス部に在籍。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。2012年より、東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当