内面から輝く美しさを持つ女性って、魅力的ではないですか? 今回ご紹介する美女は、まさにそんな表現がぴったりの女性、NPO法人「若者メンタルサポート協会」理事長の岡田沙織さんです。
2012年から悩める10代の相談を始め、現在は毎週1000人から寄せられる5000件のLINE相談を、20人のボランティアで受けつけています。常に人手不足のため、さまざまな経験をお持ちで、若者に寄り添うことができる仲間を募集しているそうです。
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色白美人で華やかな印象の岡田さんですが、これまで歩んでこられた人生は予想以上に厳しいものでした。
「4歳のとき、夜中に大きな物音で目覚めてみると、父のDVにより部屋中にガラスの破片が散らばり、母が床に倒れていました。次に記憶に残っているのは、母が手を振って出ていくシーン。その後は母方の祖父の家に預けられたのですが、祖父からも暴力を受ける日々が続きました」
幼少の頃から「人生とはつらいもの」という先入観を持つようになった岡田さんは、15歳から夜の仕事に就きました。ドラッグ、中絶、自殺未遂とつらい経験を重ね、生きる気力を失くしていました。
そんなとき出会ったのが、X JAPANの曲と、X JAPANのギタリストでソロアーティストでもあるhideさんの曲でした。
「彼らの曲には、これまでの人生で2度、助けられました。1度目は16歳のとき、X JAPANの『WEEK END』という曲で、苦しい心の叫びを歌った歌ですが、私の気持ちを表現してくれていると思いました。
2度目は36歳のときでした。33歳で2児を抱えて離婚。子供を見てもらうバイト代として、実の母に毎月7万円を払っていたのですが、鬱になってしまい、3年間、生活保護を受けることに。
そのときに聞いたhideさんの『ピンク スパイダー』という曲の歌詞は、他人から翼を奪うのではなく、自分の力で飛べるのだという内容でした。その歌詞に強く共感し、そこからまた頑張ることができました」
今日の撮影場所は、大好きなhideさんを今でも感じることができる場所、原宿にあるLEMONeD SHOP。1996年にhideさんがオープンしたショップで、hideさんオリジナルのグッズが入手できる都内で唯一のショップです。
音楽によって救われた経験から、岡田さん自身も音楽で他人を救っていきたいと考えるようになりました。
現在、アーティストやクリエイターになりたいという夢を持つ子供たちと、プロのアーティストをつなげるポータルサイトを作成中だそうです。
やりたいこと、やるべきことが次々と出てくる岡田さんは、なかなか休む時間も取れません。
「毎月1回ですが、週末に行くあてのない子供たちのために『みんなの家』というイベントを開催しています。ただ、今年の3月でいま借りている部屋の契約が切れるため、新たな場所を探しております」
いまこの瞬間にも苦しんでいる若者に伝えたいのは、何よりもまず、自分を大切にすることだそうです。
「これまでの私の人生、いつも心の中にhideさんがいました。今はhideの弟さんが、私の活動を応援してくれています」
「あなたの心の穴を埋めることができるのは、あなた自身でしかない」……『ピンク スパイダー』から学んだこの格言、私もまったく同感でございます。
●日下千帆(くさかちほ)
1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社し、編成局アナウンス部に在籍。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。2012年より、東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当