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吉田羊を大女優に育て上げた「長〜い下積み時代」

芸能 投稿日:2016.05.26 15:34FLASH編集部

吉田羊を大女優に育て上げた「長〜い下積み時代」

 

 吉田羊(年齢非公表)の快進撃が止まらない。NHK大河ドラマ『真田丸』では、真田信幸(大泉洋)の正室・稲として登場している。稲の父・本多忠勝役を演じる藤岡弘、は言う。

 

「吉田羊さんには、男に媚びるような雰囲気が一切、ありません。自分の意見をしっかりと持ち、決断力のある点は女武士。一方で、さりげない気遣いや、自然に微笑みを浮かべる姿は大和撫子。日本人女性のいいところを集めた女性です。役柄でも年齢的にも、私にとって吉田さんは理想の娘です」

 

 ドラマで共演し、現在は『SWITCHインタビュー達人達』(NHK)のナレーションで共演中の六角精児(53)も彼女の魅力の虜となった一人。

 

「初めてお会いした際、その確かな演技力を目にして『こんな人がいるんだ!』と驚いた記憶があります。彼女の美貌と芝居には親近感と清潔感があります。バラエティ、司会などさまざまなことに挑戦する姿勢も素晴らしい」

 

 彼女の勢いを象徴するのは急増するCM出演。現在11社と契約中で新CM女王との呼び声も高い。

 

「上戸彩、広瀬すず、有村架純、綾瀬はるかなど現在CMで活躍するほかの女性と違い、彼女には大人の女性ならではの落ち着きや信頼感、説得力があるのが特徴。キャリアウーマンから母親まで幅広く演じられる強みがある」(CM総合研究所)

 

 社会心理学者で新潟青陵大学大学院の碓井真史教授はCM急増の理由を「彼女の性格がアンドロジニー的だから」と分析。

 

「『アンドロジニー』とは心理的両性具有の意。チョコのCMで魅せる可愛らしさの半面、男に向け可愛い子ぶる点は全然見えない。むしろ少し怖そうなお姉さんという雰囲気があり、内面は男気溢れるように感じる。男女の特徴のイイトコどりをしているため、男女から幅広く支持されている」

 

 コラムニストの桧山珠美氏は「米倉涼子も尾野真千子も結婚して、ぽっかり空いた“カッコいい独身女優”枠を埋めたのが吉田羊だった」と指摘する。

 

「アラサー&アラフォー女には希望の星であり、もっと若い女子には憧れの対象。ますます弱くなる男性には“自分をリードしてくれる存在”として、各世代の“気になる存在”となった」

 

 彼女のブレイクが時の運ではないことは、長い下積み時代が物語る。葬儀店の受付やスーパーの試食販売などの登録制バイトを数多く経験。特に15年続けた、ホテルの立食パーティを手伝うバンケットコンパニオンの経験が女優業に生きたと、本人も認めている。

 

「『純と愛』というドラマでホテルウーマンの役をやったとき、おじぎの仕方や指の揃え方まで、とても役立ちました」(「婦人公論」20158月号より)

 

 ファンには有名な話だが、テレビで端役出演だった彼女の才能を見抜いたのは中井貴一(54)。彼の推薦で『風のガーデン』(2008年)に出演。同じプロデューサーだった縁で『純と愛』にも起用され、「冷徹なホテルウーマン」の当たり役で全国区へと躍り出たのだ。

 

 彼女の空白の苦節時代を知る数少ない証言者が女優・波乃久里子(70)だ。

 

2007年に舞台で二度ほど共演させていただきました。弟・中村勘三郎(故人)が特に彼女を買っていました。ランナーの役では舞台の端から端、花道を全力で走る、走る。当時もう30歳を過ぎていらしたそうで、その体力には頭が下がりました。この人は板の上で輝く力を持った人だと思いましたね」

 

 一つひとつの仕事で“全力疾走”してきたからこそ、今の飛躍があったのだ。前出・藤岡弘、は最後にこう力説する。

 

「彼女は僕と同じ一匹オオカミの匂いがするんです。事務所に育てられたのではなく、自分で自分の経験を咀嚼し、吸収し、磨いてきた。僕は自分の本質を見せることが俳優だと思う。彼女はカメラの前で自分のこれまでの生きざまを見せつけている本物の女優です」

 

 彼女の快走は、まだまだ続く。

 

(週刊FLASH 2016426日号)

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