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渋谷はガラガラなのに湘南は大渋滞…その差を脳科学者が分析
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.04.25 10:00 最終更新日:2020.04.25 10:00
4月24日の臨時会見で、黒岩祐治神奈川県知事は「神奈川、湘南の海に来ないでほしい」と県外の人らに呼びかけた。新型コロナウイルスによる外出自粛要請が出ているなか、湘南に県外から多くの車が押し寄せ、渋滞を引き起こしている。
「先週末(4月18日、19日)はいつものGW並みの渋滞でした。ほとんどが家族連れか若者で、海辺でバーベキューをしたり、釣りをする人も多かったです。車だけじゃなく、県外から自転車で来る人も増えています。感染が怖いので、土日に海は近づかないようにしています」(国道134号線近くに住む地元住民)
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藤沢市、鎌倉市など湘南エリアの自治体が、4月16日から公共駐車場の閉鎖、時間短縮などの利用制限を始めたが、効果は上がっていない。
一方、外出自粛要請の効果が出ているエリアもある。
NTTドコモは、ふだんは多くの若者が集う渋谷センター街で、1月18日~2月14日の平均と比較して、4月18日は77.8%も人出が減ったと発表した。この差は、どこで出ているのか。
脳科学者の塩田久嗣氏はこう分析する。
「この差には群集心理が関係しています。どんな社会でも全体の2~3割はルールを守らない、あるいはルールを都合がいいように解釈する集団が出てきます。その人たちが、湘南の場合は『(混雑を見て)みんなが行くならいいのだろう』『屋外だから大丈夫』などと解釈して押し寄せ、渋谷の場合は『みんながいないから近づかないでおこう』『ふだん混んでいるのにガラガラなのは規制が厳しいから』と避けているんです」
さらに、人間の脳の特徴にも原因があるという。
「人間の脳は猿から進化した影響で、動かずにじっとしていることに非常にストレスを感じるようにできています。お坊さんのように長時間、座禅を組むことができるなど特殊な訓練を受けている人以外、家でじっとしていることができずに外へ出てしまうのは、人間である限り仕方がないことなんです」(塩田氏)
では、外出自粛期間中の脳ストレス、コロナ鬱とはどのように付き合っていけばいいのか?
「最近、いろいろな方が発信しているように、家の中で筋トレをしたり、大声で歌うことは効果的ですが、日本の住宅事情を考えると難しいと思います。脳の扁桃体から送られるストレス信号を抑えることが重要なので、人間の『意欲』に関わる前頭葉を使った知的活動をすることが大事です。パズルや将棋、読書がおすすめです。逆に『受け身』でただテレビを観るのはやめましょう。脳にかかるストレスは解消できません」