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新型コロナ患者が明かす感染から退院まで…費用は17万円

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.05.06 20:44 最終更新日:2020.05.06 20:55

新型コロナ患者が明かす感染から退院まで…費用は17万円

 

 誰にとっても他人事ではない新型コロナウイルスだが、実際に感染した場合、どのような流れで診察、入院、退院に至るのか。先日退院した、高橋さん(25)に話を聞いた。

 

 高橋さんが発症したのは、緊急事態宣言が出された直後の4月8日。それまでもサラリーマンとして日々通勤せざるをえず、感染の恐怖は常に感じていた。うがいや手洗い、マスク等の対策は講じていたが、8日から高熱や倦怠感、味覚障害の症状が出始めた。

 

 「38度以上の熱が続き、『コロナかも?』と思ったため、4日程の自宅待機後、保健所に問い合わせしました。4日目の11日が土曜日だったので、13日の月曜日に電話したところ、引き続き自宅待機と言われたんです。でも、15日には熱が 41.7度まで上がってしまい、救急車を呼びました。

 

 そこでも、『いま乗っても、病院をたらいまわしにされてしまう。いったん(市販の)解熱剤が効くかどうか、様子を見てくれ』と言われました。16日に再度保健所に連絡し、なんとか病院の受診許可が下りました」

 

 しかし、病院は、自力で探す必要があった。近隣の大病院4カ所に電話したところ、初診であることを理由に診察を断られてしまったという。

 

「5軒目で受け入れてくれる病院を見つけ、CT撮影後、すぐに別の大病院へ搬送されました。血液検査、レントゲン撮影、PCR検査など一通りの検査をおこない、そのまま入院です」

 

 PCR検査は、大きく口を開けて上を向かないと、かなりえづいてしまうという。

 

救急車での病院搬送

 

 検査結果が来るまで、6人部屋に1人で隔離された。3日後に陽性が判明すると、陽性患者を集めた6人部屋に移動。入院生活は、風呂は禁止でタオルで体を拭くのみ。トイレはベッド脇に設置されたが、誰かが用を足すたびに部屋に異臭が漂ってしまったそうだ。

 

 「入院から2日後には、症状は大体収まりました。味覚や嗅覚の障害は、それから2日程度で治りました。結果的に、入院中はほぼ無症状でした」

 

 だが、PCR検査では陽性が続き、入院から約1週間後、都が借り上げているホテルへ移動した。

 

隔離車両でホテルへ移動

 

「ホテルは病院よりも居心地がよかったです。弁当もおいしかったですし、お風呂にも入れるようになりました。有料チャンネルも感染者には視聴無料という配慮がなされていました」

 

 5月1日、2回連続でPCR検査で陰性となり、無事に退院が決まった。公共交通機関の利用も許可され、ホテルから自宅へ。2~4週間の自宅待機が必要なため、高橋さんはいまも家にこもっている。ちなみに、勤務先は「病欠扱い」にしてくれたという。

 

  驚いたのは、退院の2日後に届いた病院の請求書だった。

 

55万円の請求書

 

「病院からの請求書を見たとき、目が飛び出るかと思いました。病院側も公費負担という認識でいたため、支払いは食事代以外は発生しないという説明でした。そのため、保険証の提示を求められることなく、掲示するタイミングがなかったのです。

 

 結果、一度建て替える必要があるという旨の連絡とともに10割負担の55万3280円の請求書が来てしまいました。主に『包括医療費』という形で請求されましたが、PCR検査や看護師さんの防護服代、病院のコロナ対策の改修費などを含めて考えれば、非常に安い金額だったのだと思います。

 

 ただ、これはあくまで10割負担だった場合の数字です。保険証を提示すれば17万円ほどになるそうです(現段階では未精算)。入院費は公費負担になるため、実費は1~3万円程度で済みますが、それでもいったん17万円を立て替える必要があり、正直痛い出費です。ホテルの滞在費は無料でしたが、一時的にある程度の出費があることはお伝えしたいです」

 

 最後に、高橋さんはこう話していた。

 

「対策していても、かかるときはかかります。だからこそ、感染の機会を減らすため、家から出ないことがやはり大事だと痛感しました。必要な食事の買い出しや仕事以外では、家にいることの大切さを今一度周知したいです」

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