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東京オリンピックで儲かる商売、歴史から紐解いてみたら社会・政治 2016.09.12

1940年に開催予定だった「幻の東京オリンピック」でも商売の話で盛り上がった

1940年に開催予定だった「幻の東京オリンピック」でも商売の話で盛り上がった

 

 大阪観光大学観光学研究所客員研究員の濱田浩一郎氏が、過去の東京オリンピックで儲かった商売について調査した。

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 パラリンピックが終わったら、いよいよ東京オリンピックに向けての準備が本格化する。小池百合子都知事は、大きく膨れ上がった予算の削減を目指すようだが、一方、文科省は来年度のスポーツ予算案を5000億円上乗せするなど、今後、お金をめぐる熾烈な交渉が始まる。

 

 昔から、オリンピックになると誰が儲かるのか、という話題が繰り返されてきた。

 

 たとえば、1940年に開催が決まっていた「幻の東京五輪」というものがある。日中戦争などの影響から、1938年7月に中止が決定するのだが、この東京五輪を前に『オリンピック東京大会 三億円の金が落ちる、何をして儲けるか』(読書新聞社、1936)という小冊子が作られた。

 

 そこには「オリンピックは福の神様である」として、オリンピック関連事業の影響で、3億円(現在の1700億円ほど)ものお金が落ちるとしている。

 

「東京オリンピックで最も多額の金額を使うのは、何と云っても土木建築費である」と記され、東京駅改築や新道路、大民族博物館の新設などなど6000万円の大工事をすると書いてある。

 

 まさに現代の東京にもダブる光景であるが、面白いのは「どんな商売が繁盛するか」という予測まで記されていることだ。

 

 第一に旅館があげられている。そして、今後、中小資本で業界に参入する者は、設備に多額のお金がかかる外国人相手の旅館ではなく、「日本の地方人相手の旅館」を代々木・千駄ヶ谷あたりに作れと勧めている。

 

 ほかの商売では「記念スタンプ屋」がある。「薄利多売主義」でいけば「一日千人や二千人は大丈夫捺しに来るだろう」と予測。絵ハガキ屋を兼ねて、絵ハガキを買った人には無料でスタンプを捺し、買わない者からはスタンプ代2銭取れば両得と、したり顔だ。

 

 1964年の東京オリンピックでは、インフラへの投資が盛んだった。首都高速やモノレール、新幹線など交通網の整備におよそ1兆円が投じられ、東京は大改造された。当時の新聞には、「頭が痛いのは自動車の洪水だ」などと書かれている。

 

 このオリンピックを契機に、ホテルオークラなどの国際的なホテルが建設され、日本初の民間警備会社(日本警備保障、現・セコム)も誕生する。

 

 さらに、選手村の料理を早く大量に作る必要から、セントラルキッチン方式と冷凍食品が広まった。これがファストフードやファミレスの原点だ。

 

 東京五輪は、世界で初めて、試合を衛星生中継で全世界に配信した。これ以降、国際イベントをテレビでリアルタイムに見ることは当たり前となった。さらに、各競技の順位やタイムをコンピューターで一括管理するシステムも誕生。いわゆるIT産業の始まりである。

 

 庶民的なところで言えば、英会話教室が花盛りとなって大儲けしたと言われている。

 

 さて、2020年の東京五輪で儲かる商売は何か。安倍政権は、「日本再興戦略」のなかで観光立国化を打ち出している。2020年までに、訪日外国人旅行者数を4000万人に増やす計画だ。羽田空港の国際線は年9万回の発着を13万回に増便する。外国人による需要増で、旅館や小売業には大きな経済効果が出るだろう。

 

 もちろん、鉄道や道路も整備される。だが、一般人にとっては、東京都が提案している「世界で一番ビジネスのしやすい国際都市づくり特区」が生活に大きな影響をあたえるはずだ。都市の24時間化、外国人医師・看護師の解禁、統合型リゾート(カジノ)などが次々に整備されていく。

 

 東京都スポーツ振興局の発表によれば、東京五輪の経済効果は約3兆円。民間の試算では20兆円近いものもある。

 

 今後、巷ではさまざまな商売や儲け話が溢れてくるだろう。その中には怪しげで胡散臭いものも多いはず。そうしたものに惑わされず、ぜひ、国内外の人に喜んでもらえるような新規商売を始めたいものだ。

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(著者略歴)
濱田浩一郎(はまだ・こういちろう)
 1983年生まれ、兵庫県相生市出身。歴史学者、作家、評論家。現在、大阪観光大学観光学研究所客員研究員。現代社会の諸問題に歴史学を援用し、解決策を提示する新進気鋭の研究者。著書に『日本史に学ぶリストラ回避術』『現代日本を操った黒幕たち』ほか多数

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