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アメリカ副大統領候補「カマラ・ハリス」に味方した一匹のハエ
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.10.08 18:00 最終更新日:2020.10.08 18:01
アメリカ副大統領候補のテレビ討論会が、現地時間10月7日夜に開催された。トランプ大統領と同じ共和党側はペンス副大統領、対する民主党側はカマラ・ハリス氏だ。
ハリス氏は、「アメリカ初の黒人女性大統領候補」というわかりやすいキャッチフレーズで全米を熱狂させている。いったいどのような人生を歩んできたのだろうか。
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ハリス氏は1964年生まれで、現在55歳。カリフォルニア州から選出された上院議員で、以前は地方検事を務めていた。
インド系の母親の母子家庭で育ったため、カリフォルニアでは黒人よりアジア系として報道されることが多かった。「黒人のハーバード」と称されるハワード大学を卒業後、カリフォルニア大学のロー・スクールで法律を学んだ。
2度めの挑戦で司法試験に受かり、1990年に地方検事からスタート。2010年にはカリフォルニア州で女性としても黒人・南アジア人としても初の地方長官となった。
実はこの頃、トランプ大統領はハリス氏に寄付をしている。2011年と2013年で合計6000ドル、翌年には娘のイヴァンカさんから2000ドルだ。
資産家のトランプ氏は以前から多くの政治家に寄付をしており、いまでは大の政敵となったヒラリー・クリントン氏なども恩恵を受けている。
トランプ氏は寄付の理由を、「寄付が欲しいと電話が来たらカネを渡す。数年後に必要になったとき、彼らに電話すれば自分のために働いてくれるから」とインタビューで語っている。
ただ、ハリス氏がトランプ氏と特別なミーティングをしたことはなく、2015年に届いた寄附金は中米の人権団体に回されたという。
プライベートでは、2014年に弁護士と結婚。プロポーズは、タイ料理を食べながらで、涙でにじんだマスカラと鼻水でまったくロマンチックではなかったそうだ。
夫には前妻との間に2人の子供がおり、子供たちはカマラ氏のことを「ママラ」と呼んでいる。黒や紺のパンツスーツで、パリッとした服装が多いが、愛用しているのはコンバースのスニーカー。本人は、空港を駆け回るのにちょうどいいと語っている。
毎朝30分のワークアウトをし、その日のスケジュールを確認しながらレーズンパンとアーモンドミルク、レモンとはちみつを入れた紅茶の朝食を取るのが日課。日曜日に家族の夕食を作るときが落ち着く時間だと明かされている。
ハリス氏は検事としての経験を生かし、これまでにも舌戦で大物たちを追及して黙らせてきた。大統領候補のバイデン氏もそのうちの一人で、それが原因で副大統領候補から外されるのではないかとの憶測があったほどだ。
実際、90分に渡った今回のテレビ討論会でも、ハリス氏は立板に水だった。
実は、討論会では、ちょとしたハプニングが発生。白髪で真っ白なペンス副大統領の頭の上に、1匹のハエが止まったままテレビに映し出された。
時間は2分3秒で、まるで両候補に与えられたトーク時間の2分を理解しているかのようだった。
その直後、バイデン大統領候補はハエ叩きを手にしたツイートを発し、民主党のグッズストアは、ハエ叩きを10ドルで販売し始めた。
「Truth over Lies(本当の真実)」というのがバイデン側のスローガンだが、ハエ叩きには「Truth over Flies(ハエに打ち勝つ真実)」と書かれている。
討論会で最も話題をさらったのは、カマラ・ハリス氏に味方したこのハエだったかもしれない。(取材・文/白戸京子)