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輸入された「冷凍食品」から新型コロナウイルス! 中国では30件以上も…

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.11.24 06:00 最終更新日:2022.12.07 18:48

輸入された「冷凍食品」から新型コロナウイルス! 中国では30件以上も…

 

「いま中国各地で、輸入冷凍食品から次々と新型コロナウイルスが検出されているんです」

 

 そう話すのは、中国・上海TOWAクリニック中医科の藤田康介医師だ。“第3波” に揺らぐ各国を尻目に、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込んでいた中国。だが、冷凍食品からウイルスが検出された事実に、全土が大騒ぎになっているというのだ。

 

 

「2020年6月に、北京市の卸売市場でクラスターが発生し、市場内の職員や設備、食品などにPCR検査を実施したところ、冷凍の輸入サーモンを扱った、まな板から新型コロナウイルスが検出されました。それ以降、輸入冷凍食品には徹底したPCR検査がおこなわれ、中国全土で30件以上の陽性反応が出ているのです」

 

 冷凍エビ、冷凍牛・豚肉、冷凍魚――。ウイルスが検出された食品はエクアドル、ブラジル、アルゼンチン、インドネシア、ロシアなど、新型コロナの感染が広がる国々から輸入されたものだった。

 

「いずれも、コールドチェーン(低温物流)の経路で検出されています。新型コロナウイルスは低温に強く、中国当局は、『冷凍食品でもウイルスが2~3カ月は生きている可能性がある』と説明しています」(藤田氏)

 

 10月には山東省青島市で、冷凍タラの包装から、新型コロナウイルスが検出された。

 

「感染力が強い、活性状態の新型コロナウイルスが、冷凍食品から初めて検出されたんです。これらが感染源かは、現時点で不明ですが、青島ではその後、集団感染が発生しています。

 

 当局は『今後も散発的に発症例が出る可能性がある』と警告し、輸入冷凍食品を扱う業者の従業員には、定期的にPCR検査が義務づけられるようになりました」(藤田氏)

 

 冷凍食品の包装にウイルスが付着しているかも――その不安が、市民生活にも影響を及ぼしはじめている。上海に住む30代の男性英語教師によれば、スーパーの冷凍食品コーナーから、外国産の肉類・海鮮が消えたという。

 

「家族の健康・安全を考えると、ウイルスがついているかもしれない外国産の冷凍食品を買うのは、正直怖い。ここ数カ月は、子供に食べさせる牛肉などは、すべて国内(中国)産を選んで買っています」

 

 しかし、なぜか日本では、中国で輸入冷凍食品からウイルスが検出され騒ぎになっている事実は、大きく報じられていない。複数の感染者が発生し、11月20日時点で市場関係者の感染が114人を超えた豊洲市場の関係者は、不安を隠さない。

 

「豊洲には、世界15~20カ国から冷凍の魚や加工食品が集積されています。日本でも今後、海外の冷凍食材からウイルスが検出されることは、十分あり得るでしょう」

 

 輸入食品に詳しいジャーナリストの小倉正行氏は、こう警鐘を鳴らす。

 

「日本でも、中国のようなことが起きても不思議ではない。食肉でいえば、鶏肉はブラジル、豚肉はカナダとアメリカとEU圏、牛肉はオーストラリア・アメリカから輸入されていますが、いずれも感染者が増え続けている国々です」

 

 これらの国々では、輸出向け食材を加工する施設で、感染が広がった例があるという。

 

「作業員が1mも間隔を空けずに作業しているところが多く、感染リスクが高いと指摘されていました。アメリカの食肉処理施設で感染者が多発し、その施設が閉鎖されたケースもあります」(小倉氏)

 

 ウイルスに汚染された食材が輸入されてきた場合、水際で食い止められる保証はない。

 

「日本での輸入食品の検査率はわずか8.5%。しかも検査は、サンプル数点をモニタリングするだけで、残りのほとんどが、そのまま市場に流通しています。

 

 日本政府とWHOは、輸入食品から新型コロナに感染するリスクについて、現時点では問題ないとしています。だからといって、検査をしなくていい理由にはなりません。多くの食料を輸入する以上、検査すべきです。

 

 いま日本では、『経路不明』の感染者が増えています。そのなかに、輸入食品を通じた感染例があっても、不自然なことではないのです」(小倉氏)

 

“第3波” の恐怖は、冷たく忍び寄る――。


(週刊FLASH 2020年12月8日号)

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