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新規患者が1日20万人…深刻なコロナ禍でもステイホームできないアメリカ人
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.12.07 19:35 最終更新日:2020.12.07 19:45
トランプ大統領は、自身の顧問弁護士で元ニューヨーク市長のルディ・ジュリアーニ氏が新型コロナで陽性だったとツイートした。
アメリカのコロナ感染者数は一向に減る気配がなく、先週は1日の新規患者数が20万人を超え、入院患者数は10万人以上と1カ月で倍増した。感染者数は3月末から世界第1位を走り続けている。
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カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、6日深夜から厳しい「自宅待機令」を再発動させた。今回は病院の集中治療室の空き病床数が15%以下の地域に対して発令され、自主的に自宅待機するエリアを含めておよそ8割以上のカリフォルニア住民が年明けまで外出を制限される。
しかし、どうも足並みが揃わない。
ロサンゼルスの警察や保安官は、違反者の取締りをしないと表明。3月から続く規制で、個人経営者などはすでに大打撃を受けており、自分たちの判断で模範的な行動ができるはずとの理由だ。同時に、ニューサム知事に対し、偽善者で強権的と批判する声も強くなってきた。
ニューサム知事は、史上最年少でサンフランシスコ市長を務め、10月の支持率は60%近くと高い人気を誇っていた。しかし、11月、全米一予約が取れないと評判の三つ星レストラン「フレンチランドリー」のパーティーで会食する姿が報じられ、謝罪する羽目に。
パーティーでは、「3家庭以上では集まらず、集まるときはソーシャルディスタンスを保ち、マスクをして2時間以内にとどめる」といったルールがいずれも守られていなかった。知事が屋外だったと主張する場所も、壁のない一辺がガラス扉で閉められていただけで、屋内も同然だった。
このレストランには、ニューサム知事の翌日、サンフランシスコ市長も訪れていたことが発覚し、市長も謝罪した。さらにサンノゼ市長も、別の場所での会食が発覚し、謝罪となった。
カリフォルニア州だけではなく、テキサス州オースティン市長、コロラド州デンバー市長など、全米で多くのリーダーたちが謝罪を繰り返している。
アメリカでは、サンクスギビングやクリスマスに親戚が集まって食事するのは、昔からの大切な慣習である。今年は国民の多くがこうした行事を自粛しているだけに、ルールを無視したリーダーたちへの反発は大きい。
ちなみに、ワシントンDCでは屋内の集会は10名以内、レストランの収容人数は25%以内にとどめるよう指示されているが、ホワイトハウスは州ではなく連邦の管轄になるそうで、このルールが適用されない。
そのため、ホワイトハウスではこれから少なくとも25の屋内パーティーが予定されている。規模は縮小気味だが、直前のウイルステストはほとんどおこなわれない予定だ。
マイク・ポンペオ国務長官も、大規模な屋内パーティーを予定しており、パーティーの招待状がすでに領事館や外交関係者などに送られている。
このように、アメリカの一部だけが厳しい行動規制を敷いても、州によってはマスク規制すらないところもあり、十分な効果を出せていない。
バイデン氏はマスク着用を呼びかけているが、新政権がどれだけ広範囲にルールを徹底させられるのか、疑問視されている。全米をまとめあげて感染者数を減らすのは容易ではないだろう。(取材・文/白戸京子)