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アメリカ最強の圧力団体「全米ライフル協会」が破産申請した裏事情

社会・政治 投稿日:2021.01.17 20:00FLASH編集部

アメリカ最強の圧力団体「全米ライフル協会」が破産申請した裏事情

 

 アメリカ最強の政治的な圧力団体「全米ライフル協会(NRA)」が1月15日、破産法を申請した。

 

 米議会襲撃事件以降、NRAに対する世論の風当たりが強くなり、まもなく銃規制を謳う民主党政権に取って変わるが、それだけが原因ではなさそうだ。会員数500万人を超え、豊富な資金を持つ歴史ある団体の破産申請は、どうやら計画的で打算的だったようだ。

 

 

 NRAは南北戦争直後の1871年に設立された。射撃訓練や銃器の教育をおこなう組織として、また合衆国憲法修正第2条に規定されている「武器を保有し携帯する権利」を擁護する社会運動を進める団体である。1963年のケネディ大統領暗殺で銃規制運動が高まった頃から、むしろ会員数は激増し、反メディア・反銃規制のロビー活動団体というイメージが定着した。

 

 NRAは長年、巨額の資金を政治につぎ込んできた。協会では、政治家たちをA+からFまで7段階にランク付けしており、トップランクの議員には数億円規模の寄付がおこなわれる。

 

 政治的立場から共和党議員のランクが高く、これまでジョン・マケイン氏は7億円を超える寄付を受けている。トランプ大統領は、2016年の選挙事務所立ち上げからNRAと手を組み、当時31億円ほどの寄付を受けたという。また、1月5日におこなわれたジョージア州の決選投票には4.6億円を注ぎ込んでいる。

 

 逆にF評価である民主党のヒラリー・クリントン氏に対しては、批判広告などのネガティブキャンペーンを繰り返している。

 

 アメリカでは銃の販売店が街中に点在し、スポーツショップや量販店などで1万円代から気軽に購入できる。近年の高校銃乱射事件を受けて、ラピエールCEOが「子供たちを守るため、すべての学校に武装警官を配備するべきだ」と述べたのは有名な話だが、NRAの長年のロビー活動により、銃規制が次々に弱められてきたのが現実だ。

 

 だが、そうして風潮にようやく批判の声が届くようになってきた。銃乱射事件が起きたサンフランシスコでは、「どこの国にも精神衛生上の問題はあるが、量販店などで容易に銃が入手できるのはアメリカだけで、それはNRAの影響によるものだ」と協会を批判、2019年に市議会が満場一致でNRAを「国内テロ組織」と認定した。

 

 2020年夏には、ニューヨーク州が、NRA幹部の資金流用疑惑と協会の解散を求める裁判を起こした。ラピエールCEOは、カリブ海やヨーロッパへのプライベートジェット代やブランド服など5200万円、他の3幹部たちも合計66億円ほどの資金を流用したという。

 

 カマラ・ハリス次期副大統領や民主党議員から解体を求める声が強まるなか、1月16日、NRAからAランク評価を得ていたローレン・ボーベルト議員の辞職が報道された。

 

 彼女はコロラド州で銃を所持したまま利用できるレストランを経営しており、銃所有の権利を強く主張している。国会に銃を持って行くと公言したことで物議を醸した新人議員だが、陰謀論と呼ばれる「Qアノン」の信奉者で、議会襲撃の際、乱入者の手引きをしたのではないか疑われていた。

 

 NRAの破産申請は、こうした逆風のなかで取られた一手だった。NRAは、実際には資金に困っていたわけではない。コロナ禍の政情不安で銃の売り上げは伸びており、2020年は近年最多で1700万もの審査がおこなわれ、新規の銃購入者は500万人もいた。NRAのウェブサイトにも「資金状況はここ数年間でもよい方だ」と書かれている。

 

 では、なぜ破産法を申請したのか。これは、ほぼ間違いなく裁判逃れだとされている。申請ではテキサス州での再起が明記されているが、銃愛好者の多いテキサス州へ移ることで、厳しいニューヨーク州の訴訟を避けられる可能性が高いのだ。

 

 司法長官は「逃げることは許さない」とツイートし、ニューヨーク州でも、移転や破産の適用を阻止する動きが始まっている。一方、かねてからNRAにテキサスへの移転をすすめていたトランプ大統領は、「訴訟はひどい話で、NRAはテキサスでとても素敵な人生を送るといい」とコメントしている。

 

 訴訟はどちらの土地でおこなわれるのかわからないが、新たな地で再建を果たしても、多額の資金流用疑惑や腐敗体質が消えるわけではない。大統領の言うような「素敵な人生」がやってくるかどうかは不明だ。(取材・文/白戸京子)

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