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衝撃の事実! 自衛隊病院が新型コロナの医療スタッフ「二次感染ゼロ」を実現している

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.01.23 21:28 最終更新日:2021.01.23 21:28

衝撃の事実! 自衛隊病院が新型コロナの医療スタッフ「二次感染ゼロ」を実現している

陸上自衛隊フォトギャラリーより引用

 

 1月13日、政府は「緊急事態宣言」の対象地域に、大阪・京都・兵庫・愛知・岐阜・栃木・福岡の7府県を追加した。期間は1月14日から2月7日まで。1月8日からの4都県と合わせて、対象は11都府県に拡大した。

 

 同13日、国内の感染者数が累計30万人を超えた。それに先立って1月6日には、日本医師会の中川俊男会長が記者会見を開き、ひっ迫する医療体制について、こう述べていた。

 

 

「医療体制は、新型コロナ対策の医療と、通常の医療が両立することで機能しています。その両立が崩れ、必要なときに適切な医療を提供できない、適切な医療を受けることができない状態が『医療崩壊』で、現実はすでに医療崩壊です」

 

 医療崩壊をめぐっては、新規感染者数増加による医療の “コロナ偏重” もさることながら、各地で次々に発生する院内感染も大きなリスクとなり、医療従事者の疲弊や人員不足が叫ばれ続けてきた。そんななか、「医療従事者の二次感染」のリスクをコントロールできている病院があることを、ご存知だろうか。

 

「現在、防衛省では東京の『自衛隊中央病院』をはじめ全国10施設で、新型コロナウイルスに感染した患者の受け入れをしています。(編集部注・1月10日、兵庫県川西市の自衛隊阪神病院で『事務職員』5人のクラスターが確認された)一方で、現在までに『医療スタッフへの二次感染』の報告はありません」(防衛省広報室)

 

 自衛隊には、自衛隊中央病院のほか、『防衛医科大学病院』と16の自衛隊病院があり、それぞれに自衛官として、医官・看護官・薬剤官などの医療スタッフがいる。

 

 では、自衛隊の医療スタッフに、二次感染が出ないのはなぜか。その理由を、ある看護官が明かしてくれた。

 

「感染症対策そのものは、ほかの医療施設の一般的な医療スタッフと同じです。しかし私たちは、医療スタッフであると同時に自衛官でもあります。

 

 たとえば防護服の着用でも、着脱訓練を定期的におこなっていました。防護服は脱ぐときが重要で、『2人1組で互いに指差確認する』といった、細かい決まりもあります。二次感染を起こしていないのは、訓練を重ねてきた感染対策の基本を忠実に実行しているからなのです」

 

 そもそも自衛隊に医療スタッフが置かれている本来の目的は、有事の際の戦傷者への対応と、「CBRNE(化学・生物・放射性物質・核・爆発物の頭字語)」といわれるテロ攻撃対策にある。

 

 しかし近年、紛争地域での平和維持活動を除けば、たとえば海上警備活動の大部分は海上保安庁にゆだねられており、自衛隊の医療施設・医療スタッフにとって上記の “有事” は、現実的に差し迫っていない状況が続いている。そこで、新型コロナのような感染症対策での出動が増えているというわけだ。

 

 元陸上自衛隊一佐で、東部方面総監部総務課長を務めた吉成正彦氏は、こう語る。

 

「高病原性鳥インフルエンザ対応のための出動など、感染症対策で駆り出されることが、ここ数年で常態化しています。新型コロナウイルス対策でも当然、出動要請が発せられました。

 

 自衛隊の医療の “本来の目的” とは違いますが、自衛隊病院や医療スタッフの能力の高さが国民に広く知れ渡ることは、喜ばしいことだと思います」

 

 実際、日本が “第3波” に襲われた2020年後半には、12月8日に北海道旭川市の大規模クラスターが発生した2施設に自衛隊の医療支援チーム計10人が派遣された。続く12月15日には、人工呼吸器を扱える医療従事者の派遣を要請していた大阪府大阪市に看護官が派遣された。

 

「自衛隊の医療チームは、大型クルーズ船『ダイヤモンドプリンセス』号船内で発生した集団感染の対応に2700人が派遣されたのを皮切りに、沖縄県の病院支援や、中国武漢からの帰国者などへの対応にも当たってきました。

 

 新型コロナウィルスへの対応では、国内のどの医療機関より、先鞭をつけてきた自負があります」(自衛隊関係者)

 

“自衛” の精神は、「武」のみならず、「医」にも宿っている――。

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