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74年前の「パスタソース」レシピに書かれた隠し味はセロリソルト

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.02.12 16:20 最終更新日:2021.02.12 16:26

74年前の「パスタソース」レシピに書かれた隠し味はセロリソルト

写真はイメージです

 

 アメリカのSNS「reddit(レディット)」で、2月に入って話題を呼んだレシピがある。74年間、ひっそりと隠されてきたパスタソースの作り方だ。

 

 コロラド州に住むデイビッドさんが、自宅ガレージに掛けられていたボードを下ろすと、「スパゲティのレシピ」と書かれた古い封筒が出てきた。

 

 

 封筒のなかには、ソースの作り方が詳細に書かれていた。トマト、タマネギ、挽き肉、塩、オレガノなど、基本的なトマトソースだが、セロリソルトやドライマスタード、パプリカなど独特なスパイスも使われている。

 

 興味が湧いたデイビットさんは、さっそく調理をはじめた。レシピ通りだと量が多いため、できあがりが半分くらいになるよう具材の量を調整した。

 

 煮込むこと数時間、香ばしいソースが完成した。レシピがすすめるるように、パスタにガーリックブレッドを添えて、パルメザンチーズをトッピングしたところ、これまでにない味わいだったという。

 

「スパイスががとても効いていて、特にセロリソルトが絶妙だった。次はラザニアやミートボールに使ってみようかな」とデイビッドさんは報道陣に語っている。

 

 当時の住人は不明だし、レシピに書かれた考案者の名前を検索しても、なんの情報も得られなかった。ただ、電話番号の特徴から、1940年代を生きた人物だとわかっている。デイビットさんは「誰かに見つけてもらうまで、レシピはずっと待っていたのかも」と語っている。

 

 日本でも、はるか昔のレシピが突然見つかることがある。

 

 2007年には、広島県福山市に伝わる元祖・保命酒のレシピが、320年ぶりに古文書から発見された。保命酒はみりんにハーブ類を漬け込んだ薬味酒で、現在も販売されているが、オリジナルの味は長らく不明だった。

 

 2014年には、秋田県羽後町の旧家で見つかった180年前のレシピをもとに、おもてなし料理「よふかん」の再現に成功した。「よふかん」はワラビの根茎からとったでんぷんを小豆、小麦粉、もち粉、うる粉などで蒸し固めたものだが、分量の記述があいまいで、なかなか復元できなかった。
 

 栃木県・日光市にある日光金谷ホテルは、現存する国内最古の西洋式ホテルと言われるが、2003年、蔵から大正期のカレーレシピが見つかった。ピクルスの漬け汁を隠し味に使った爽やかな味だという。

 

 はるか昔のレシピ。歴史に裏付けられた美味しさは、今もひっそりどこかで発見されるのを待っている。

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