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火事にあった猫が「ペット用酸素マスク」で救助される…SNSでは「君たちこそヒーローだ!」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.02.16 23:10 最終更新日:2022.12.07 18:22
2月13日、イギリスの工業都市ランコーンで火災が発生した。建物の1階に燃え広がった炎はすぐに鎮火し、助け出された住人は無事だった。しかし、2匹の飼い猫は大量の煙を吸っていたため、動物病院へ搬送する必要があった。
このとき、現場にいた2人の消防士が取った行動に、ネットで称賛の声が上がっている。
消防士は、タオルで猫をそっと包み、常に持ち運んでいた「ペット用酸素マスク」を口につけたのだ。猫はそのまま病院に運ばれ、一命を取りとめた。
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消防士たちがその目新しいアイテムで猫を救う様子は、消防署のフェイスブックに投稿され、500を超える「いいね」を集めている。投稿には「よくやった! 猫の命を助けてくれてありがとう」「君たちこそヒーローだ!」など、消防士を讃えるメッセージがあふれた。
フェイスブックに書かれた説明によると、この酸素マスクはイギリスのNPO「スモーキー・パウズ」が送ってきたもので、地元の動物病院が使い方を教えてくれたという。
スモーキー・パウズは、イギリス国内の消防隊にペット用酸素マスクを提供している団体だ。公式サイトには《イギリス全世帯の46%がペットを飼っていて、年間4万戸以上の住宅で火災が発生しています。火事が起きると、ペットは屋内に避難する傾向があり、人間よりも短時間で多くの煙を吸い込んでしまうのです》と、警鐘を鳴らしている。
そして、この酸素マスクは《動物の鼻や口元にフィットするように作られていて、円滑に酸素を送ることができます。そのため、火災に巻き込まれた動物たちの生存率を上げられるのです》と説明している。
ランコーン消防署によると、2匹の猫は病院で元気に過ごしているという。
実は、ペット用酸素マスクはアメリカにも存在している。カリフォルニアにある「エマ・ゼン財団」は、これまで国内の消防隊に3500超のペット用酸素マスクを寄付している。今後の目標はカリフォルニアのすべての消防車への設置だという。
海外では、ペット用酸素マスクの存在は知られており、アマゾンで購入することも可能だ。アメリカ版アマゾンを見てみると、価格も4000円ほど。これなら、自宅に常備も可能だろう。
日本でも1800万匹を超える犬や猫が家庭で飼われている。今回のように、いざというときにペットの命を救えるアイテムが広まれば、より安心してペットとの生活が楽しめるだろう。