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サギ師や盗人を調査してほしい…日本初の「探偵広告」掲載/5月21日の話

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.05.21 06:00 最終更新日:2021.05.21 06:00

サギ師や盗人を調査してほしい…日本初の「探偵広告」掲載/5月21日の話

 

 1891年(明治24年)5月21日、朝日新聞に、「帝国探明会」の広告が出稿された。内容は「探偵調査」の請け負いである。

 

 これが日本初の探偵業の広告だとして、社団法人探偵協会では、この日を「探偵の日」に制定している。同協会会長の戸塚敦士さんに話を聞いた。

 

 

「そもそも、協会内で、探偵というものをもっと身近に感じてもらえるよう、『探偵の日』を作るのはどうだろうかという話が出たのがきっかけです。

 

 選定の基準は、『国内で、100%民間資本の日本人が、広く一般大衆に対し探偵調査を請け負う広告を実施した日』と決め、いろいろと調査を進めたのです。

 

 結果、現在確認できた範囲では、1891年5月21日に掲載された広告が最古でした。

 

 当時は時代の変わり目で、警察などの仕組みがあまり整っていなかったこともあり、探偵がその役目の一部を代わりに担いました。

 

 サギ師や盗人の調査がよくおこなわれたようです。現代もそうですが、探偵というのは、理不尽を解消する仕事ですからね」

 

 ただし、探偵業の始まりには諸説あり、定義自体が難しいという。

 

「江戸時代にも、用心棒のようなことをしていた者たちがおり、所在調査等の広告を出していたとの話もあるのですが、資料での証拠が残っておらず、確認できていないのが現状です」

 

 ちなみに、当時の探偵はいくらくらいで雇えたのか。

 

「どうでしょう、今でも不透明なところのある業界ですからね(笑)。正確な数字はわかりませんが、新聞広告を出していたということは、多少富裕層に向けたビジネスではあったのでしょう」

 

 その後、1892年に企業の信用調査を請け負う「商工社」(現・東京商工リサーチ)が生まれ、1895年には、探偵事務所の草分けとされる岩井三郎事務所が設立されている。

 

 殖産興業により、新しい企業が次々に設立された1890年代は、さまざまな調査機関も同時に登場したのだ。

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