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数字で見るコロナ禍・酒類提供制限の居酒屋へのダメージ…宅配施策は「利益になりにくい」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.07.15 16:00 最終更新日:2021.07.15 16:00
コロナ禍で大打撃を受けている、外食産業。東京都で4度めの緊急事態宣言が発令され、各地でもまん延防止等重点措置が延長されるなど、事態はますます深刻化しそうだ。
本誌は、外食産業が受けたダメージを業態別、企業別に調査した。各業態のおもな上場企業を対象に、各社の決算から、売上高の前年比(伸び率)と営業利益を抜き出し、比較。
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ただし、決算月は企業で異なるため、たとえば7月決算と3月決算の企業では、コロナの影響を受けた期間が違うので、注意が必要だ。
さて、ファミレス以上に厳しい経営を迫られているのが、居酒屋だ。
◯「鳥貴族」(鳥貴族HD)
売上伸び率マイナス23.2% 営業利益9億8300万円
/決算期2020年
◯「串カツ田中」串カツ田中HD
売上伸び率マイナス13.0% 営業利益マイナス4000万円
/決算期2021年3月
◯「HUB」(ハブ)
売上伸び率マイナス68.2% 営業利益マイナス15億6600万円
/決算期2021年3月
◯「金の蔵」「アカマル屋」(三光マーケティングフーズ)
売上伸び率マイナス30.9% 営業利益マイナス20億900万円
/決算期2021年3月
◯「甘太郎」「いろはにほへと」(コロワイド)
売上伸び率マイナス28.5% 営業利益マイナス131億6300万円
/決算期2021年3月
「鳥貴族」は営業利益がプラスになっているが、これは昨年7月期の数字。今年の決算では、大幅な赤字となることが予想される。
「営業自粛、酒類提供禁止までされては、居酒屋はお手上げです。もともと日本の飲食店は利幅が少なく、売り上げが9%下がると赤字になる、というデータがあります。
多くの店がデリバリーを導入していますが、30〜40%が宅配業者の取り分といわれていますので、店の儲けにはなりにくいのです」 (調達コンサルタントの坂口孝則氏)
2020年の飲食店事業者の倒産は780件と、過去最多となった(帝国データバンク調べ)。
「かなりの補助金を出してもこの数字ですからね。今年はもっと多くなるのは間違いないでしょう」
夏でも、飲食業界は真冬が続きそうだ。
(週刊FLASH 2021年7月27日・8月3日合併号)