社会・政治
キャンディーズ解散…石破茂・元自民党幹事長も「青春そのもの」と回顧/7月17日の話
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.07.17 08:22 最終更新日:2021.07.17 08:26
1977年7月17日、日比谷野外音楽堂のコンサートで、一世を風靡したアイドルグループ「キャンディーズ」の3人が、「普通の女の子に戻りたい」といきなりの解散宣言をおこなった。この宣言は事務所に内緒で、3人の意志によって決行されたという。
コンサートの終盤、ラン(伊藤蘭)、スー(田中好子)、ミキ(藤村美樹)は、「私たち、デビューするときに、3年間は一生懸命やろうって約束したんです。それが今年でもう4年になりました。……私たち、9月いっぱいで解散します!」と涙ながらに告げた。一瞬静まった会場は、我に返ったファンたちの「やめないでー!!」という絶叫で大きく揺れた。
【関連記事:森山良子が振り返る「昭和体質」山根会長・貴乃花・財務官僚】
1972年、NHKの『歌謡グランドショー』のマスコットガールとして登場した3人は、翌年から『8時だョ!全員集合』(TBS系)のレギュラーに抜擢。同年『あなたに夢中』で歌手デビューを果たした。メンバーたちは「歌で成功したい!」と強い思いを持っていたが、当初はテレビタレントとしての人気が高く、1974年に開催された初コンサートの来場者数は、800人ほどしかいなかった。
しかし、5枚目のシングルとなった『年下の男の子』で26万枚という初のヒットを飛ばす。続けて『春一番』は36万枚、『微笑がえし』は83万枚と、当時のアイドルとしては驚異的な売れ行きを見せ、多くの人々を虜にした。
自民党の石破茂元幹事長も、キャンディーズに魅せられた人間の1人だ。政界きってのキャンディーズファンであり、カラオケでもメドレーを熱唱する。石破元幹事長の一番贔屓にしていたメンバーは誰だったのだろうか。
「キャンディーズのファンの間では1にランちゃん、2にスーちゃんと言われていますが、僕はみんながワーワーいう人は好きじゃない。憂いがあり、奥ゆかしいミキちゃんが好きなんですよ。
好きな曲? そうですねえ、ノリのよさという点では『春一番』でしょう。しかし名曲というなら、やっぱり『やさしい悪魔』でしょうか。もちろんキャンディーズの曲は全曲歌えますよ」
1978年4月4日、ついに解散コンサートの日を迎える。会場となった後楽園球場には5万5000人が集まった。入場券がなく、入れなかった約100人のファンが鉄扉を押し開け場内に乱入するという珍事もあった。4時間かけて51曲の楽曲を歌い踊り切った3人は、「本当に私たちは、幸せでした!」という言葉を残し、ステージから、そして芸能界から去っていった。
学生時代をキャンディーズとともに過ごした石破元幹事長は、当時を振り返ってこう語る。
「キャンディーズは、ずばり青春そのものですな。当時はお祭りみたいな時期で、明るい日本がいつまでも続くもんだとみんなが思っていた。で、我々の世代はというと、大学闘争の後の世代。崇高に政治を憂うとか、そういう時代でもなかった。ある意味、いい時代だったんでしょうね。
我々にとって、彼女たちは夢だったんでしょう。作られたアイドルじゃない。AKB48にしてもモーニング娘。にしても同じアイドルグループでしょうが、なんとなく一種、作られた感じがある。でも、そういう商業化が進む前の、本当の本当のスターというのが彼女たちだったと思うんですよ。本当にどこにでもいそうな女の子たち。ちょうど私と同世代だったこともあるのかな。あのころはよかったね、って感じだよ」
写真・朝日新聞