高市氏の出馬の一報を受けた二階氏は「ほー、そうですか」と返したのみだったという。別の自民党議員が語る。
「『安倍がまた、なにか小細工しているな』という程度の感想のようです。二階さんは、当面は無投票で菅さんの再選を目指すという立場ですが、関心事は、自公で政権を維持することだけなんです」
二階派の議員秘書の意見も同じだ。
「オリンピックが終わっても菅政権の支持率が上がらないどころか、下がりっぱなしの状況を見て、二階さんは “脱・菅” に傾きつつあります。石破さんとも接触していますよ」
無関心を装う二階氏だが、すでに動きはじめているのだ。
「二階氏が本当に菅氏を守ろうとするなら、8月26日がポイントになります。この日に総裁選の日程が決定しますが、『現在検討されている9月17日告示、29日投開票では、菅氏にとって厳しい』とみて、先送りするはずです。もし予定どおりに総裁選をやるのなら、二階氏は『菅氏と距離を置くことを決めた』といえると思います」(前出・伊藤氏)
じつは、冒頭で紹介したメモには、パターン(4)があった。
《しっかりした総裁選挙の実施。堂々と論戦をして、総裁選挙をしたあと、選出された総裁のもとで解散総選挙をやるべきだとの意見が多くなってきている》
先の “小物” 候補たちが慌てて名乗りを上げる事態になれば、「二階氏は小池百合子都知事を総裁選に担ぎ出す “奇策” に出るでしょう。まったく焦りはないようです」(前出・角谷氏)。
(週刊FLASH 2021年8月31日号)