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写真で見れば一目瞭然!危なすぎる「オスプレイ」の空中給油
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.01.20 17:00 最終更新日:2017.01.20 17:26
写真:米海兵隊
米国の海兵隊輸送機MV-22「オスプレイ」。この通称は、鳥のミサゴに由来する。上方向き・前方向きに遷移するプロペラを持つことで、ホバリングから急降下して魚を狩るミサゴのよ うに、垂直離着陸が可能なためだ。
しかし昨年の事故は、この最大の特徴がネックになってしまった。
12月13日の夜、沖縄県名護市安部の浅瀬に、米軍普天間飛行場所属のオスプレイが着水、大破した。
米海兵隊は、空中給油訓練中のトラブルにより、給油機のホースが切れてオスプレイのプロペラが損傷し、「不時着した」と発表。本誌はその原因となった、問題の「空中給油」の写真を入手した。
軍事評論家の高井三郎氏が、空中給油について解説する。
「オスプレイの空中給油は『プローブアンドドローグ式』と呼ばれる方法です。オスプレイ側は、給油機を追うように飛行しながら、給油機が出したホース(=ドローグ)の位置に合わせて、受油パイプ(=プローブ)を差し込まなければなりません。ある程度、熟練した操縦技術が必要です」
オスプレイの特徴であるプロペラは、この給油の支障になる場合がある。
「一般的なプロペラ機に比べ、オスプレイのプロペラは大きいので、空中給油の難度は少し上がります。今回は訓練中だったようですので、おそらく技術の未熟な搭乗員が操縦していたことが考えられます」(高井氏)
前出の海兵隊発表と照らし合わせると、今回の事故では、オスプレイのプロペラが給油機のホースに接触し、損傷した可能性が高い。写真からわかるように、プローブはプロペラのすぐそばに取り付けてあるのだ。
「オスプレイは不時着ではなく、完全にコントロールできなくなって『墜落』した」と語るのは、沖縄県でサンゴ礁などの撮影を手掛ける、写真家の牧志治氏だ。牧志氏は14日午前、事故直後の海中で、大破したオスプレイの機体を撮影していた。
「事故機のプロペラは前方を向いていた。これは、オスプレイが離着陸の態勢に入っていなかったことを示している。また、普天間基地の米軍パイロットなら、沖縄の地形を熟知しているはずだから、墜落現場から少しでも沖合に出れば、水深10mの海面に安全に着水できただろう。
ところが機体は岩礁に激突している。つまり、機体はコントロール不能の状態だったのではないか。しかも、水面には燃料がほとんど出ていなかったことから、燃料が底をついていたと考えられる」(牧志氏)
米海軍安全センターは今回の事故を、軍内部の事故評価でもっとも重大な「クラスA」にあたるという見解を明らかにした。すでに、オスプレイの空中給油は再開された。首都圏でも配備計画が進んでいるオスプレイ。「凶器」が東京上空を飛ぶ日も近いかもしれない。
(週刊FLASH 2017年1月3日号)