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元グッドウィルの折口雅博氏、大和証券が23億円求め提訴していた!本人は約70社顧問で不死鳥のごとく復活
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.08.25 06:00 最終更新日:2021.08.25 06:00
東京都内で5000人近い新型コロナウイルスの新規感染者が確認された8月某日。東京・六本木を男女数人と連れ立って歩くのは、かつて人材派遣の「グッドウィル・グループ」(以下GWG)を率いて一世を風靡した折口雅博氏(60)だ。
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「折口氏は1991年にディスコ『ジュリアナ東京』を立ち上げ、1995年にGWGを設立。コムスンに資本参加して介護事業に進出し、グループを年商8000億円企業にまで急成長させました」(経済部記者)
だが、2007年から2008年にかけて介護報酬の不正請求や二重派遣の問題が相次いで発覚し、折口氏はGWG会長を辞任。同社はその後、2013年に精算が完了し、消滅している。
「2008年に折口氏は渡米し、ハリウッドスターやトランプ前大統領も通うニューヨークの高級日本食レストラン『MEGU』の実質的な経営者となり、成功を収めました。その後、カジノ事業などをおこなう日本人経営者に、11億円程度で売却したようです」(同前)
折口氏がこの日訪れたのは、東京ミッドタウン近くの高級懐石料理店。このご時世、優雅に飲み会でもあるまいが、昔日のヒルズ族がなぜまた六本木に戻ってきたのか。
「現在の折口氏は、投資事業をおこなっています。顧問を請け負う企業は約70社に及び、経営者向けの講演も好評です」(折口氏に近い関係者)
約2年前に、折口氏の講演会に参加したことのある企業経営者が語る。
「会場の貸会議室に集まったのは20〜30人くらい。折口氏と名刺交換をしたところ、翌日に秘書の方から電話があり、顧問契約を提案されました。順番に電話をかけているとのことで、従業員数なども聞かれましたね」
“不死鳥” のように復活し、顧問先の開拓に余念がない折口氏。だが、じつは折口氏には、安穏としてはいられない事情があったのだ。
「2019年、大和証券が折口氏に対して、約23億円の支払いを求める訴訟を起こしているのです」(前出・関係者)
大和証券と折口氏の因縁は、GWGがまだ好業績を上げていた2006年に遡る。
「当時、折口氏はGWG株の保有率を増やすために大和証券を頼り、みずほ銀行の融資を受けました。ですが、2008年の不正による業務停止処分で、GWGの株価は暴落。折口氏は利息が払えなくなり、資産管理会社と個人で約300億円の負債を背負いました」(同前)
破産手続きが終結したのは2014年。回収された債権の大半は資産を差し押さえていたみずほ銀行のもので、大和証券が得たのはわずか47万円だったという。
折口氏との係争について、大和証券広報部は「個別の取引についてはお答えできない」と回答。折口氏と係争中であることは認めた。
前出の関係者によると、折口氏の資産管理会社は破産によって免責されたが、折口氏個人は、裁判所から免責許可が下りなかったという。大和田周資弁護士が解説する。
「破産すれば債務は帳消しになると考えられがちですが、資産隠しの可能性がある場合などは、裁判所が免責を認めないケースがあります」
もっとも、「折口氏のNYの高級アパートは夫人名義で、本人には資産らしい資産はない」と先の関係者は言う。
折口氏が代表を務める投資会社に電話で問い合わせると、六本木の “飲み会” に関しては、同社の役員が「折口はふだんからアルコールを好まない」と飲酒を否定。文書で送った大和証券との係争に関しては、期日までに回答はなかった。
60歳になった折口氏にとっては、数多く乗り越えてきた逆境のひとつにすぎないのだろうか。
(週刊FLASH 2021年9月7日号)