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コロナ “自宅療養患者” が「あってよかった」と絶賛する「麦門冬湯」と「Uber Eats」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.09.03 06:00 最終更新日:2021.09.03 06:00
新型コロナウイルスの自宅療養者が、次々と亡くなっている。8月26日時点で、首都圏で21人もの自宅療養者が亡くなった。しかも、血中酸素飽和度が大きく低下した中等症患者ですら入院できなかったり、病院が見つからず数日以上待たされたりするケースが増えている。
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すでに医療が崩壊したこの日本では、自分の身は自分で守るしかない。そこで本誌は、自宅療養で新型コロナウイルスとの闘いから生還した人たちにその “サバイブ術” を聞いた。
千葉県在住の40代の独居男性・Aさんは、療養中に不眠で悪夢を見るようになり、気分の落ち込みがひどくなった。
「話し相手は保健所の担当者だけでしたが、話を聞いてもらうことで助けられました。感染すると不安に襲われますからね。私は感染後、メンソール入りのボディソープが体に染みて使えなくなった。低刺激の石鹸があったほうがいいです。登山用の酸素ボンベも用意しました。これを吸うと呼吸が楽になるんです」
都内在住の30代男性Bさんは、倦怠感を覚え咳が止まらなくなり、陽性と判明。中等症で肺炎にもなった。
「発熱したときに食べられるものはゼリーのみ。ほかに水と、冷却シートを使いました。意外と効いたのは『麦門冬湯』というツムラの咳止め漢方薬。5カ月たちましたが、いまだだるいですよ」
都内在住の20代の女性Cさんが活用したのは、オンラインのフード注文サービス・Uber Eatsだった。
「じつはUber Eatsは、食べ物専用ではないんです。コンビニで買えるものを指定して配達してもらうこともできるし、玄関先に置いてもらう “置き配” も可能。外出できなかったので、助かりました。
あとは自前で買った酸素濃縮器も有用です。12万円もしましたが、使用し始めて数日でかなり楽になりました」
都内在住の30代男性Dさんは、一時は症状が悪化して集中治療室に運び込まれたが、一命を取りとめた。
「たまたま持っていて助かったのが現金です。自宅療養をしていても、私のように突然入院するケースも多いと思います。コロナ病棟で暮らす際は、看護師さんに現金を渡して代わりに買い物をしてもらうことになります。ないと困るでしょう。
さらに、病棟内でもスマホやPCがサクサク動くよう、ポケットWiFiがあればよかったと思います」
これらはあくまで個人的な体験例。医学的見地からは、自宅療養に備えて何が必要なのか。東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科の寺嶋毅教授はこう話す。
「酸素缶は、効果がきわめて短時間で、気休めにすぎません。それよりも自分の体調を事細かに把握してください。動脈血酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターと体温計を用いて、朝・昼・夜の決まった時間に体温と1分間の呼吸回数、血中酸素濃度を測りメモするんです。
重症化した場合、その記録を医者に見せることでスムーズに適切な治療を受けることができます。動脈血酸素飽和度は96%以上は正常、93%以下になると入院が必要です。
さらに、鏡で自分の顔色をチェックするのもいいでしょう。酸素濃度が下がると唇と爪が紫色になります。余力がある場合は、部屋の中を少しでも歩いてください。熱でだるいからといってじっとしていると、エコノミークラス症候群が起こる危険性があるんです」
読者には、万全の準備をしてほしい。
(週刊FLASH 2021年9月14日号)