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NASAが驚愕の研究「アンチエイジング」の切り札は「重力」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.01.31 17:00 最終更新日:2017.01.31 17:00

NASAが驚愕の研究「アンチエイジング」の切り札は「重力」

 

 近年の研究で、老化を防ぎ、アンチエイジングに必要なものは食事や運動より、地球の「重力」だとわかってきた。そして、この「トンデモ理論」のような研究結果を発表したのは、NASA(アメリカ航空宇宙局)だというのだから2度ビックリ。

 

 宇宙空間に長く滞在すると、宇宙飛行士は急速に老化してしまう。運動能力にも優れ、栄養バランスのいい食事をとっているにも関わらず、筋力が落ちて骨密度も急激に低下する。ほかにも認知機能の低下や代謝異常を起こすことがあり、地上にいるときより10倍のスピードで老化が進むとさえ言われている。

 

 こうした現象は「宇宙老化」(space aging)と呼ばれ、長年NASAは研究を重ねてきた。NASAの目標である火星への有人往復飛行を成功させるためにも、宇宙空間で長期間の健康を保つための秘訣を手に入れることが必要なのだ。

 

 その糸口を探るため、2015年には、あえて宇宙飛行士を約1年間国際宇宙ステーションに滞在させるという実験も行った。

 

 長期間、宇宙に滞在する宇宙飛行士には、運動が義務付けられている。トレーニング装置はもちろん特別製で、地上と同じように運動ができるようになっている。ところが、地上に戻ってきたばかりの宇宙飛行士は自分で歩くことさえできないのが現実だ。

 

 国際宇宙ステーションで4カ月過ごし、2016年10月、無事に地球へ帰還した宇宙飛行士の大西卓哉さんは、地上に着陸直後、50グラムほどの軽いタイマーを手に取ろうとしたとき「予想以上の重さに、思わず持った腕が下がりました」と自身のSNSで書いている。「横に誰かが支えてくれないと、とても自分では歩けません」ともあり、宇宙飛行は想像以上に体への負担が大きいことがわかる。

 

 その後、大西さんは45日間のリハビリを行い、地上での生活を取り戻していった。

 

 運動をしているのにも関わらず、宇宙空間で体が急速に衰えてしまうには理由があった。秘密は耳の中。とくに内耳と呼ばれる部分は、体のバランスを保つ働きを担っている。その中のひとつの器官が「耳石」だ。「耳石」は頭の傾きや重力を感知する。

 

 ところが宇宙の無重力状態では「耳石」も浮かんだ状態になってしまい働かなくなってしまう。「耳石」が働いていない状態では、筋力トレーニングに励んでも効果があまり上がらない。

 

 アンチエイジングの秘訣は「耳石」をいつも健全な状態に保つことが必要だ。「ゴロゴロと寝てばかりいる」「座りっぱなしでいる」と、重力の恩恵を受けられず、宇宙空間と同じように「耳石」の働きが鈍ってくる可能性があるという。

 

 アンチエイジングの基本は立ち上がって、軽く体を動かすこと。これからは「重力」を意識しながら、生活してみてはいかが?

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