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著名人ら絶賛のアンチエイジング「エクソソーム点滴」で死亡事例…「令和の虎」ドラゴン細井氏がリスクを解説
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.11.01 15:37 最終更新日:2023.11.01 22:50
《エクソソーム(点滴)導入してるクリニックはマジで頭どうしちゃったん?
流行病か?もう一回国家試験うける?心配》
やや強い語気で、自身のX(旧Twitter)にそう投稿したのは、YouTubeチャンネル「令和の虎」などに出演し、注目を集めるアマソラクリニック院長のドラゴン細井氏。
10月13日、一般社団法人再生医療抗加齢学会で、エクソソーム点滴による死亡事例が発表された。エクソソームとは、細胞から分泌される「細胞外小胞」の一種で、小さな袋状の物質であり、細胞間の情報伝達を担うものだ。
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「『エクソソーム点滴』とは、再生医療の分野において注目されている『エクソソーム』を体に直接、取り入れる治療。アンチエイジングなどに効果があると、美容クリニックを中心に人気を集めています。エクソソーム点滴を受けたことをSNSに投稿する芸能人も多く、定期的に点滴を受けていることを語っている著名人もいます」(医療ジャーナリスト)
「副作用などはない」とうたわれているようだが、細井氏は眉をひそめる。今回、本誌は細井氏に詳しく話を聞くことができた。
「“美容にいい”というイメージ戦略で、エクソソーム点滴治療を高額でおこなうクリニックが散見されますが、長期的な副作用についての言及がまったくないんです。少なくとも現時点で、治療に使用するには、わからないことが多すぎますし、その詳細はコロナワクチンよりも不明です」(細井氏・以下同)
エクソソームによるがん治療などへの研究がおこなわれているのは事実ではあるが、あくまでも研究段階だという。
「現在、自由診療で使用されているエクソソームは、製造方法も確立されていないものです。今回、日本では初のエクソソーム治療による死者が出ましたが、海外ではすでに死亡事故が起きています。たとえば、エクソソーム自体に菌が混入していて、投与した後に全身に菌が回って、敗血症で死に至るといったケースもあるようです」
そもそも、本来、エクソソームが伝達を担う「細胞間の情報」は、よいものばかりではない。
「エクソソームがどういった情報を持っているかによって、効果が異なると思います。
がん細胞からは、がんの情報を持ったエクソソームが分泌されることになり、投与後にがん化が起きないとも限りません。もちろんすべてのエクソソームが悪いものではありませんが、コストを抑えるために、粗悪なエクソソームを使用するクリニックもあります。
エクソソーム治療に関しては、無法地帯となっている側面があり、その品質は、クリニックのモラルによって差があることは否定できません。そもそも私は、エクソソームを導入しているクリニックの医師たちには『どうしちゃったんだよ? 医学部でなにを学んだんだ?』という疑問しかありません」
今回、死亡事故を発表した再生医療抗加齢学会に、エクソソーム点滴は推奨されるものなのか問い合わせたところ、「当学会では、設立時より、当該治療法を含めた未承認薬の投与使用法については、注意喚起をしながら勉強会などを実施しており、推奨しておりません」との回答があった。
また、すでにエクソソーム点滴による治療を受けた人のリスクについては、「現在事実関係が不明な部分もありますが、当学会では該当治療法を推奨しておらず、会員様にも慎重に取り扱うよう啓蒙しており、注意喚起の意図で会員様向けにHPやシンポジウムでご案内をおこなっております」と繰り返した。
未知のものを体に取り入れることは、未知のリスクを呼び込んでしまうことになるかもしれない。
( SmartFLASH )