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みずほ銀行トラブルまみれの理由は…金融庁管理で「泥沼化の予感」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.09.23 06:00 最終更新日:2021.09.23 06:00
9月22日、金融庁は、システム障害が相次いだ問題をうけ、みずほ銀行とその親会社であるみずほフィナンシャルグループに対し、銀行法に基づく業務改善命令を出した。
みずほ銀行といえば、今年8月にATMが使えなくなるなど、トラブルばかり起きることで知られる。ITジャーナリストの三上洋さんが、こう語る。
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「金融庁が業務改善命令を出すこと自体は、そこまで珍しいことではありません。ただ、今回は金融庁がみずほのシステムを管理する形での行政処分となります。これは、極めて異例な対応です」
今後は、年内をめどに金融庁とみずほが共同でシステム管理をおこない、相次ぐシステム障害の原因究明や、改善を進める予定だ。
みずほ銀行は、今年だけでも7回のシステム障害が発生している。2月、3月に4回の障害が発生したことをうけ、6月に再発防止策を公表したにもかかわらず、その後8月、9月にも3回の障害が発生している。すべて異なる原因がもとになっており、もはや個別に問題を解決していては追いつかない状況だ。
これほど事態が悪化した理由について、三上さんはこう語る。
「みずほ銀行は2002年、第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行の3行が合併して誕生しました。当初は各銀行のシステムをつないでいましたが、合併直後や、2011年の3.11で大規模なシステム障害を起こしています。
その反省から、2011年、4000億円をかけて、みずほで一つのシステムとなる『MINORI(みのり)』を作り始めます。それ自体は英断でしたが、あまりにも大変な事業で、いっときは “いつまでも完成しない” という意味から『IT界のサグラダ・ファミリア』とまで呼ばれました。
ようやく完成したのが2019年。しかし、開発は、各銀行でもともとシステム開発に関わっていた3社+1社という4社体制だったのです。当然、各所の調整は困難を極めました」
加えて、みずほ銀行の企業風土も影響しているという。
「みずほのなかでは、『システムは外注先に任せよう』という空気があると思われます。いくら外注先が頑張っても、自社のなかにシステムを熟知した人間がいなければ、状況は変わりません。今年7月、IBM出身の人物がみずほの取締役に就任したのは、そうした背景もあるのでしょう」
では、金融庁が介入することで、みずほ銀行が抱える問題は解決できるのだろうか。
「金融庁がどこまで立て直せるのかは、正直お手並み拝見というところです。ただ、みずほ銀行は、もはや個別の問題を潰していく段階ではありません。企業風土や開発体制など、経営そのものをどう変えていくかという状況になっています。ここに金融庁がきちんと踏み込めるのかどうかが、鍵になるでしょう」
ネット上では、みずほ銀行への金融庁介入に対し、懐疑的な声が広がっている。
《金融庁の関わり方次第ではさらに地獄になるのでは?》
《金融庁って何をしてくれるんだろう… 現場が報告書あげる対象が増えるだけになるなら地獄が深くなるだけになるけど》
《さすがにメインバンク変えようかな...》
《見える…見えるぞ……国管理になってもまた障害が起こって泥沼化する未来が……》
はたして、みずほ銀行の行く末は――。
写真:Nicolas Datiche/アフロ