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事故急増の「全国危ない交差点」なぜ増えたのか交通事故鑑定人が検証

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.10.09 06:00 最終更新日:2021.10.09 06:00

事故急増の「全国危ない交差点」なぜ増えたのか交通事故鑑定人が検証

法円坂交差点(大阪府大阪市)

 

「法円坂交差点の先には高速道路の入口と、一般道の平面・高架と、あわせて3方向に分かれる地点があるのに、その手前には高速入口の標識しかないので、直前で車線変更する車が多いんです。通るたびに恐怖を感じます」

 

 大阪在住の本誌カメラマンは、そう強く訴える。

 

 

 毎年9月に日本損害保険協会が発表する「全国交通事故多発交差点マップ」。最新の全国ワースト1が、昨年22件の事故が起きた大阪府の法円坂交差点だ。ここは前回も16件でワースト2だったが、さらに事故が増えた形だ。

 

 本誌は今回、この5年で今年初めてランクインした10の交差点を抽出。すなわち、事故が急増した地点ということになる。法円坂交差点は昨年も入っていたが、それ以前の4年間はランクインせず、事故が増加したことを踏まえ、ここも含めて計11カ所を「事故急増交差点」とした。

 

 なぜ事故が多発するのか。その分析と解説を、元千葉県警交通事故捜査官で、交通事故鑑定人として活躍する熊谷宗徳氏に依頼した。さらに同氏には、東京都内の現場に同行してもらった。

 

 まず、法円坂交差点は2つの幹線が交わり、上に阪神高速が走る。

 

「交差点の西側に阪神高速の料金所があり、片側4車線のうち右側2車線が高速に向かう右折レーンになっているんですが、車線が交差点の途中で切れている。そこを右折車が並走するので、右折車同士の接触事故が多いと思われます。

 

 それと、交差点を曲がってすぐに、高速に入る車線と、一般道の高架および平面との3つに分かれている。『こっちじゃない』と急ハンドルを切ったりブレーキを踏んだりで、接触や追突が起きている可能性があります。

 

 また、交差点が大きく、曲がる距離が長い。すると右折車が交差点内に滞留し、信号が赤になっても無理やり突っ込んでしまうことが多い。それで右折車と直進車の “右直事故” が増えてしまうんです」(熊谷氏、以下同)

 

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