1月30日、元AKB48・高橋みなみに俳優の伊勢谷友介、タレントのパックン、ロンドンオリンピック銀メダリストで元フェンシング選手の太田雄貴、写真家の蜷川実花など、そうそうたるメンバー16人に囲まれていた小池百合子東京都知事。
現在、東京は「都議会のドン」内田茂氏との代理戦争と言われる千代田区長選挙のまっただ中だが、この日ばかりはニコニコ顔だった。この集まりは小池都知事の肝いりで始まった「東京未来ビジョン懇談会」。
芸能人だけではなく建築家、漁業関係者、林業関係者、高校生内閣といった各界で活躍する若手を集めて「東京の未来」について意見交換をしてもらおうという試みだ。
「2030年、40年、50年、私いつまで生きているかわかりませんけれども(笑)、皆さん、次の世代がこんな東京であってほしいなという本音を語っていただく場所を設けたいと考えたのが今回」
と懇談会の冒頭では都知事から軽口も飛び出した。
ちまたではオリンピックが開催される2020年以降の東京は、それまでのインフラ整備や需要の高まりが一気に落ちて大不況になるのではないかと心配する声も出ている。
しかも、東京都の予測では2025年には都内の人口がピークを迎え、あとはなだらかに減少していくという。そんな現状を憂い、16名が馳せ参じたというわけ。
バラエティに富む気になる人選だが、どういう基準だったのか? その経緯を東京都の政策企画局に聞いてみた。
「各ジャンルでご活躍をされている方を中心に、高校生から40代の一般的にアラフォーと呼ばれる世代を目安にして、全員、知事が選びました」
知事自ら人選を行っただけあって、1時間40分余りの懇談会は絶え間なく活発な意見交換が行われた。しかし、まだこの先のスケジュールや具体的にどのように都政に反映していくのかは未定だという。
「実は2回目の懇談会はいつなのか、成果物はどうするのかというのは具体的には決まっていません。ただし、今後複数回の懇談会を行うことになっています。今回はご参加いただいた皆様に自由闊達なご意見をいただきましたが、次回は議論の内容を踏まえつつ、方向性を決めてご意見をいただく予定です」(東京都政策企画局)
メンバーは今後も変えずにやっていくという。問題山積の都政運営。明るい笑顔で夢やビジョンを語る高校生らと意見交換して、小池都知事の活力となったのか――。