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眞子さまと小室圭さん結婚への “バッシング” のウラに――天皇制の専門家が指摘する「宮内庁の鈍感さ」  

社会・政治 投稿日:2021.10.10 06:00FLASH編集部

眞子さまと小室圭さん結婚への “バッシング” のウラに――天皇制の専門家が指摘する「宮内庁の鈍感さ」  

9月27日に帰国し、自宅マンション前に集まった報道陣に目礼する小室さん

 

「メディアで連日のように流されるバッシング報道にふれていると、お二人は多くのトラブルを抱えたまま、ニューヨークへ “駆け落ち婚” されるという印象を持たれるかもしれません。しかし、それは事実とは大きく異なっているのです」

 

 10月1日、宮内庁が眞子さま(29)と小室圭さん(30)の結婚を正式に発表した。冒頭で語ったのは、成城大学文芸学部の森暢平教授だ。

 

 

 1990年代に全国紙の宮内庁担当記者として活躍した後、皇室報道についての研究者に転身した森教授。“いち学者” という立場ゆえ、これまで眞子さまと小室さんの結婚報道からは距離をおいてきた。

 

「しかし8月から、私は覚悟を決め、お二人の結婚について発言することを決めたのです。じつは、今年4月の段階で、秋篠宮さまや宮内庁は、結婚へのゴーサインを明確に出していました。

 

 皇室を直接取材しているジャーナリストなら誰でもそのサインを読めるはずなのに、真逆のバッシング報道ばかりが目立っています。この世論の歪み方は、あまりに異常だと思ったのです」(森教授、以下同)

 

 森教授が言う「今年4月」とは、小室さんが自身の母親とその元婚約者・Aさんとの間に生じた金銭トラブルについて説明した文書(小室文書)を発表したタイミングを指す。

 

 世間的には、小室さんが「Aさんから母親に振り込まれた約400万円は借金ではなく、解決済みだ」という主張を振りかざしていると誤解され、バッシングが過熱した。だが、文書に対する宮内庁の反応はまったく違ったものだった。

 

「小室文書の発表と同日、宮内庁の西村泰彦長官は『非常に丁寧に説明されている。事実関係、話し合いの経緯についても理解できた』と評価しました。この段階で宮内庁は、お二人の結婚を実現する方向で動きだしていたといえます」

 

 7月30日には、小室さんがニューヨークで就職する予定であることをNHKが報じた。このスクープも、宮内庁サイドの意向によるものだと森教授は筋を読む。

 

「このニュースは小室さんサイドからではなく、宮内庁周辺からNHKに情報がもたらされたと推測できます。“わかっている人” なら、その中に隠された意図を読める重要な報道でした。秋篠宮さまの周囲も報道が出ることはおそらく把握されていて、10月の結婚に向けた地ならし的な意味があったと思われます」

 

 しかし、世論はそうは動かなかった。今なおバッシングはやむことがなく、10月1日の宮内庁の発表によると、眞子さまは「ご自身とご家族、およびお相手とお相手の家族に対する誹謗中傷と感じられる出来事が続いた」ため、専門医から「複雑性PTSD」と診断されたという。

 

 なぜ、こうした事態になってしまったのか。森教授は、「バッシング報道を続けたメディアこそ、真っ先に批判されるべきです」としつつ、宮内庁のメディア対応についてもこう述べる。

 

「宮内庁という役所が、ネット世論にまったく対応できなかったことにも要因があると思います。宮内庁は、(新聞・テレビ15社が加盟する)宮内記者会さえ押さえておけば、国民の世論を形成できると信じています。新聞中心の『公論』から、ネット中心の『感情世論』へ変化していることに鈍感だったのです」

 

 そして宮内庁は、国民が皇室を受容する姿勢や、恋愛の価値観が大きく変わっていることにも鈍かった。

 

「正田美智子さん(現・上皇后)と皇太子明仁親王(現・上皇)とのロマンティックな恋愛に全国民が注目した時代と、現代は違います。

 

 眞子さまと小室さんはご学友とはいえ、まるでマッチングアプリで出会ったかのように偶然に出会い、結婚に至ったように見えます。でも、それでいいのです。小室さんがニートになろうが国際弁護士になろうが、誰にも口を挟む権利はありません。

 

 それなのに、宮内庁は旧来の『多くの国民に祝われる結婚』しか想定できず、そこからはみ出したお二人に対して、納采の儀(一般の結納にあたる儀式)をおこなわないことや一時金の辞退という、世論に配慮した時代遅れの対応しかできないのです」

 

 皇籍を離脱する眞子さまには、1億3725万円の一時金が支給される予定だった。しかし、眞子さま本人が辞退を申し出たため、支払われないことが決まった。

 

「私は、眞子さまは一時金を受け取るべきだったと思います。『小室さんが国民に支持されないから受け取らない』という印象を与えることは、皇室制度の存続にとってマイナスです。

 

 また、秋篠宮さまが『多くの人が納得をし、二人の結婚を喜んでくれている状況ではない』という理由で、納采の儀をおこなわない判断をされたことも、国民世論への過剰反応だったと思います」

 

 秋篠宮さまは、昨年11月の会見で眞子さまと小室さんの結婚を「認める」と発言。しかし、その後は水面下では “ゴーサイン” を出しつづけていながら、明確なご意思を表わされることはなかった。

 

「秋篠宮さまは、同じ会見で『納采の儀はおこなうことはできない』とも語っています。眞子さまの結婚を認めるのか、認めないのか、はっきりしないメッセージを発してしまったと思います。

 

 それが結果的に、バッシングを加速させる責任の一端を負う結果になってしまったと申し上げざるを得ません。秋篠宮さまには、喜んで眞子さまを送り出していただきたく思っております」

 

 10月26日の記者会見では、笑顔のお二人を見られるだろうか。

 

もりようへい 

1964年生まれ 埼玉県出身 京都大学卒業後、1990年に毎日新聞社に入社し、宮内庁、警視庁を担当。現在は成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科教授。皇室の恋愛、結婚も研究する。編著書に『近代皇室の社会史』『皇后四代の歴史』(ともに吉川弘文館)など

 

(週刊FLASH 2021年10月19日号)

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