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コロナ禍で賞賛された「ホテル三日月」が売却へ…“武漢帰国者受け入れ“で地元も苦しんだ風評被害
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.12.03 11:00 最終更新日:2021.12.03 11:00
ホテル三日月グループ(千葉県勝浦市)が運営する「勝浦スパホテル三日月」と「鴨川スパホテル三日月」の経営権を来年3月、ホテルマネージメントインターナショナル社(東京)が取得することが11月30日、発表された。
新型コロナの影響で利用客が激減し、施設の老朽化や耐震改修などの資金を捻出することが難しくなったためだという。
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新型コロナが蔓延した中国・武漢に政府がチャーター機を飛ばし、邦人の帰国を開始した2020年1月下旬。帰国者の滞在先となったのが「勝浦スパホテル三日月」だった。
ネット上では、ホテルの“受け入れ決定”に対して「英断だ」と持ち上げる声が多く投稿されたものの、この決定は、当時の勝浦市民にとって “寝耳に水” だった。
勝浦ホテル三日月はホームページで、受け入れの経緯について《当社は、本件の受け入れのみならず、これからも地域、日本の繁栄のために邁進していく所存です》と声明を発表。
勝浦市内の農家の男性(60代)も、当時本誌記者にこう憤った。
「あまりにも説明がなさすぎる。県もあとから聞いたというし、従業員も、帰国者が来る4時間前に聞いたそうだ。『ホテル経営陣とべったりの自民党国会議員と県議会議員が、政府と勝手に決めたんだ』と言う人もいた。
絶対にダメとは言わないが、なんで地元に話を通さず強行するんだ!」
“受け入れ決定”から約1年後、2020年末の「勝浦スパホテル三日月」周辺を取材したときも、近隣の商人からは“悲鳴”が聞こえた。
「やはり、風評被害に困っています。ホテル三日月は、いつもの年なら土日は予約でいっぱいでしたが、あの一件以降は、当日でも予約が取れるほどです」
そこからさらに約1年……とうとう三日月グループは、同ホテルの経営権を譲渡。コロナがもたらした影響は、尾を引いたようだ。
( SmartFLASH )