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「一億総活躍」推進室がひっそり消えていた! 安倍政権の看板部署廃止で叫ばれる“検証組織”の必要性

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.12.10 06:00 最終更新日:2021.12.10 06:00

「一億総活躍」推進室がひっそり消えていた! 安倍政権の看板部署廃止で叫ばれる“検証組織”の必要性

 

 岸田政権の「18歳以下への10万円給付」は、全額現金か、クーポンとの組み合わせでの給付かで揺れに揺れている。

 

 12月9日、政府は全額現金による給付を認める条件として「来年6月末までにクーポンの給付を開始できない見込みである場合に限る」と、自治体側につきつけたことが報じられた。

 

 

「クーポンの使途については『子育て関連』と限定しているが、どこで使うことができるかは自治体によりけり。子育て関連のサービスや用品に使ってもらうという意図もありましたが、クーポン配布には967億円の事務費がかかることもわかり、批判が止みません」(政治部記者)

 

“バラマキ”とも言える政策に、ネットでは“結果”を求める声が強く上がっている。

 

《これでどれほど経済効果がありましたとか、クーポンだった場合はどれくらい子育てのサービスが購買されたのかとか、ちゃんと検証しないとダメだよ》

 

《ちゃんと検証しないと、安倍さんみたいに、しれっと“公約がなかったこと”にされちゃうよこれは》

 

“なかったこと”にされた安倍政権時代の産物といえば、安倍政権の看板施策を推進してきた組織だろう。

 

 政府が「一億総活躍」「働き方改革」「人生100年時代」「統計改革」を推進した4室を廃止したのは11月12日のこと。松野博一官房長官は「岸田内閣の政策を進めるため」として、「基本的な方針の策定から期間が経過し、業務に一定の区切りがついた」と述べた。

 

 2015年10月、当時の首相であった安倍晋三氏は「一億総活躍社会」の実現を掲げ、「一億総活躍推進室」を内閣官房に新設。翌2016年5月には「ニッポン一億総活躍プラン」を打ち出した。

 

「同プランでは、出生率を2025年度までに1.8にする、という数値目標が掲げられました。しかし、2019年の出生率は1.36。出生数も、2019年は86万4000人と、1899年の統計開始以来初めて90万人を下回る結果に。『一億総活躍』というキャッチフレーズは誰しも聞いたことがあるでしょうか、蓋をあけてみれば結果は出ておらず、“動いていますよ感”を醸し出していただけの部署だったんです」(前出・政治部記者)

 

「働き方改革実現推進室」が主導し、2018年に成立した働き方改革関連法は、罰則付きの残業時間規制を導入したものの、現場レベルでいえばいまだに過重な労働に苦しんでいる人は絶えないだろう。

 

「高齢者雇用の促進を図る『人生百年時代構想推進室』や、各府省の統計を点検する『統計改革推進室』にしても、国民にとって明確な結果を出したとはいえないでしょう。まして、安倍政権の末期は数々の“疑惑”が取りざたされ、国民の信頼を得られてはいなかった。

 

 岸田政権も『新しい資本主義実現会議』『デジタル田園都市国家構想実現会議』など、さまざまな有識者会議を設立していますが、結果を検証していく組織がなければ、安倍政権時代のように“動いていますよ感”だけの組織になってしまうでしょう」(政治ジャーナリスト)

 

 岸田政権には、安倍政権時代の反省を生かしてほしいが……。

 

( SmartFLASH )

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