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菅前首相が手帖に書いた意味深「マル印」! びっしり書き出された国会議員の名前は “新派閥結成” の候補者か
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.12.14 06:00 最終更新日:2021.12.14 06:00
10月の総選挙以降、衆議院の議場内には首相経験者が3人並ぶ “VIP席” がある。
12月6日、国会開会日のVIP席。岸田文雄首相(64)の所信表明演説の際、安倍晋三元首相(67)は時折、虚空を眺めながら耳を傾けていた。
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その奥にいたのは菅義偉前首相(73)。菅氏は演説に興味を示さず、一心不乱に「黒革の手帖」にペンを走らせた。
「この2人といえば、12月3日に安倍氏がインターネット番組で『菅さんが派閥を作ろうと思えば、簡単に結成できる』と発言したのが記憶に新しい。自身の派閥『宏池会』に他派閥を取り込んだ『大宏池会』結成に意欲を見せる岸田氏に、危機感を抱いているのが安倍氏です。
首相在任中には離れていた出身派閥『清和会』に復帰して “安倍派” を立ち上げ、岸田氏の勢力拡大を牽制しています」(政治部記者)
最近では新型コロナの国内感染者数の激減により、ワクチン接種を進めた菅氏の功績が再評価され始めている。
「捲土重来を期する菅氏を、安倍氏は利用できると考えたのでしょう。菅氏も12月5日に『同志と力を合わせたい』と菅派結成を匂わせて、安倍氏の発言に呼応しました」(同前)
熱心に書き込まれた手帳をカメラでとらえると、ページ上部には「不妊治療」「携帯」など、菅氏が首相在任時に推し進めた政策が列記されている。さらに、“任命拒否” 問題で大きな批判を呼んだ「学術会議」や「慰安婦」といったきな臭い言葉も。そして下部には、なにやら苗字の羅列が。
自民党関係者は「これは『ガネーシャの会』メンバーを書き出したメモだろう」と話す。ガネーシャの会とは、菅氏に近い無派閥議員からなる若手衆議院議員のグループだ。
「いまは休止状態だが、以前は故・田中角栄氏の “木曜クラブ” に倣い、毎週木曜に “弁当会” を開くなど、ガネーシャの会は結束が強い」(同前)
手帳の文字に目を凝らすと、「坂井(学)」「田中(良生もしくは英之)」「藤井(比早之)」「三谷(英弘)」「山本(朋広)」「星野(剛士)」「武村(展英)」といった、ガネーシャの会の面々の名が確認できる。
また、「西野(太亮)」は菅氏が支援して今年当選した新人議員。一本線が引かれた下には「徳茂(雅之)」など「菅義偉を支える参議院議員の会」の面々と思われる名前が。記されている名前は見えるだけでも20人近い。これは結成される “菅派” の構成員名簿ではないのか――。政治評論家の有馬晴海氏が話す。
「自民党総裁選などでも、議員たちはこういう票読みをしていますよ。その場合、この手帳にもある名前の横の丸印は『固く支持してくれる』といった意味のことが多いです。菅氏の立場でこうした印をつけるということは、『俺についてきてくれる』と考えているということでしょう」
自民党の中堅議員は「菅さんは動き始めた」と話す。
「ガネーシャの会の議員と会食を再開したようです。しかし、会食は菅さん含めて3人でおこなうのが決まり。それは会合の中身が漏れたときに、どちらが漏らしたかがわかるようにするため。それほど用心深く、統制を進めています」
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