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大阪・北新地ビル放火 生死を分けたのは「率先避難者」になれたか…火の手を逃れたのはわずか2人
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.12.21 06:00 最終更新日:2021.12.21 06:00
12月17日、午前10時半ごろ、大阪の歓楽街・北新地のビルの一室が地獄と化した。
近隣の小売店店主が語る。
「ビルの4階部分が、全部オレンジ色の炎で覆われていたんです。ものすごい煙で、消防車が何十台も来ました」
現場となったのは、心療内科と精神科などが専門の「西梅田 こころとからだのクリニック」。同院に4年通っている女性は動揺を隠せない。
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「親身になって話を聞いてくれる、優しい先生でした。このクリニックではリワークといって、心の病で休職した人が職場復帰をするためのプログラムが開かれています。恨みを買うような先生だとは思えないのですが……」
男が袋を蹴り出火したとみられる事件発生時、クリニックには30人がいたとされるが、火の手を逃れたのは、出入口付近にいて即座に階段を駆け下りたわずか2人。24人が死亡する凄惨な事態となった。
備え・防災アドバイザーの高荷智也氏は「明確な殺意を持った放火は心がけの問題ではどうしようもない」としたうえで、警鐘を鳴らす。
「火災報知器が鳴るなど異変があった際は、大丈夫だろうと楽観する『正常性バイアス』にとらわれず、身を守る行動をいちばん最初に取る『率先避難者』になることが重要です。
火災での死因は煙による一酸化炭素中毒で、瞬間的に意識を失うことがきっかけとなることが多い。だからこそ自分が一刻も早く逃げることが、周囲の人の命を救うことにもつながります」
もうこれ以上、尊い命は失えない。
※死者数は12月17日現在