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コロナ陽性10日目の本誌記者、体温37.3度、悪寒、下痢でも“無症状扱い“に…東京都の“医療パンク“寸前を実感した
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.01.29 20:00 最終更新日:2022.01.29 20:00
新型コロナウイルスの感染爆発が止まらない。1月28日の時点で、東京都で1万7631人、大阪府で1万13人など各地で過去最多を記録。東京都の病床使用率は46.1%に達し、医療崩壊の日が近づいている。
幸いにも酸素吸入などが不要な軽症者が多く、自宅療養をする感染者も多い。1月中旬に感染が判明した本誌記者もそのひとりだ。
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「おもな症状は、37.5度前後の熱と、立っていられないほどの強いめまい、のどの痛み、咳、腹痛、下痢などです。保健所からの指示で、都が運営する自宅療養者フォローアップセンターに、LINEを通じて毎日症状を送ることになっていました」
3日めには平熱に戻り、順調に回復していったが、感染判明から8日めの夕方、再び37.3度の体温となった。
「悪寒が続く状態で、10日めを迎えました。自宅療養の目安は10日間ですが、あくまで症状が出ていないことが前提とされています。
そこで私は、正直に『熱は37.3度だが悪寒があり、腹痛がひどく下痢をしています』と電話で伝えました、すると担当の看護師に『かかりつけの病院に連絡して医師と相談してみてください』と言われました」
しかし、かかりつけ医は当日、休診だった。フォローアップセンターに再び電話をすると、衝撃的なことを言われた。
「担当看護師は改めて私の体温を確認したあと、『直近3日間で37.5度以上出ていなければ大丈夫ですので、今日で自宅療養を終わりにさせてほしいんですが……』と、体調が悪いにもかかわらず、自宅療養を中止したいと “お願い” されてしまいました。『10日間経てば感染力も低下するので大丈夫です』と言っていましたが、心配です」
確かに感染症法の届け出基準では、「発熱は37.5度以上」とされている。だが、悪寒を感じ腹痛がある状態を “症状がない” とするのは無理があるような気もするが……。
「東京都は、1月31日以降、フォローアップセンターによる健康観察を一部中止し、自宅療養中で50歳未満の無症状と軽症の患者は、自分で健康観察をおこない、体調不良となった場合に連絡してもらう体制に切り替えると発表しました。
感染者が増えすぎて、健康観察する余裕がないということです。観察対象をひとりでも減らさないと対応できないという、医療の “パンク宣言” ですね」(社会部記者)
前出の記者が、こう語る。
「もちろん、私は体調が悪いとはいえ軽症ですし、医療リソースは重症化リスクの高い方に優先してほしい。ただ、ここまで医療体制が逼迫しているとなれば、見過ごされる重症者も出てくるのではないでしょうか」
まだまだ感染拡大は続いている。少しでも多くの命が救われることを願う。
( SmartFLASH )