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水道管の破裂事故「毎年1000件」で水道料金は30%も上がる社会・政治 投稿日:2017.03.11 17:00

水道管の破裂事故「毎年1000件」で水道料金は30%も上がる

『写真:青木紘二/アフロ』

 

■ボロボロになった水道管

 

「いつまでもあると思うな親と金」という諺があるが、そこに水道が加わっていることをご存知だろうか。

 

 老朽化した水道管の破裂事故は毎年1000件を超える。全国に張り巡らされた水道管の総延長は約66万キロだが、そのうち12%以上が法定耐用年数40年を超えている(2012年時点)。

 

 一方で更新率は年間0.76%程度。厚生労働省は市町村に更新を急ぐよう求めるが、財政難から追いつかず、すべての更新には130年以上かかる計算だ。管の寿命を考えると、130年の間にはさらに数回の更新が必要になるだろう。

 

 重くのしかかる設備管理費、人口減少……水道事業が維持できなくなる地域では、飲み水はペットボトルで届け、生活用水は給水車が週2回程度、地域の拠点まで運ぶという未来予想図もある。

 

 実際、管が古くなり、破損する事故は毎年多発している。
 2014年、福岡県北九州市のJR黒崎駅前にある商店街そばの歩道で突然アスファルトが裂け、水が噴き出した。47年前に埋められた水道管に亀裂が入ったためだ。水道管の漏水は北九州市内で毎年70~80件確認されている。

 

 同じく2014年、滋賀県大津市の市役所北側の歩道から水が噴き出し、一時、隣接道路などに溢れた。古い水道管の漏水が原因とみられ、周辺の約2万世帯で濁水や水圧低下などの影響が出た。

 

 2015年には、京都市山科区の府道で路面から水が噴き出した。噴出は一時15メートルの高さに達し、約6時間後に収まった。地中1.5~2メートルの水道管が破損し、路面にある鉄製の蓋の隙間から水が噴き出したのだ。

 

 老朽化した管は交換や修理が必要だが、人口減が続く自治体は水道料金の回収額も減少し、水道管を取り替える予算の捻出に苦しむ。

 

■水道料金は最低でも30%上がる

 

 水道料金値上げは各地で始まっている。2017年4月には、徳島県阿南市が25%、滋賀県大津市は19%、山口県山陽小野田市が15%の値上げを予定している。これは全国的な傾向で、今後も大幅な値上げが予測される。

 

『人口減少時代の水道料金はどうなるのか?』(新日本監査法人、2015年)によると、現在の水道施設をそのまま維持しようとした場合、2040年度までに水道料金の値上げが必要な事業体は1221(調査対象の98%)、そのうち604事業体で30%超の値上げが必要という結果だ。

 

 全国で最も水道料金が高額になる青森県深浦町では1カ月の水道料金が1万7688円、年間水道料金は21万2256円になる。

 

 深浦町によると「10数カ所に水道施設が点在し、維持管理費が高くつく。地形の起伏が激しく、ポンプで水を送るため、電気料金の値上げでさらに厳しくなる。そこに老朽化や人口減少の影響が出てくる」という。

 

 水道事業を下支えしているのは地域の住民数だ。

 

「東京などの大都市は水道管1キロに1万人くらいがぶらさがっている。地方都市では1000人ぶらさがっている。過疎化した村では100人以下のところもある。これによって水道料金は変わってくる」(日本水道協会)

 

 給水人口が多く、下支えする人数が多ければ、施設を更新しても水道料金は安くなる。一方、小規模自治体は下支えする人数が少ない。そうしたところが水道や浄水施設の更新を行えば水道料金は高くなる。

 

 過剰な設備投資の借金が重くのしかかるケースもある。政令指定都市のなかで水道料金が札幌市についで高い仙台市によると、「1923年から99年までに5回、水道事業の拡張を行い、企業債を発行した。その利息が高くついている。泉市と合併した経緯があり、地域が広いわりに人口密度が低い。よって水道管の距離が長くなり、整備が大変な状態」という。

 

 水道料金が高い町で人口流出がさらに進んだら、最終的には水道が断絶してしまうこともあるかもしれない。生活用水は自分でタンクをもって数キロ離れた給水所にくみに行かなければならない可能性もある。

 

 そうしたなか厚生労働省は、今国会で水道法改正案を提出する見込みだ。水道事業者に対し、水道施設の戦略的な更新・耐震化、給水人口に見合った統廃合を行うことを求め、国が支援する。これは維持管理のむずかしくなった水道施設をいかに持続させるかを狙ったものだ。

 

 だが、これに加え、地方自治体が水道事業の運営権を民間企業に売却することが可能になる改正条項が盛り込まれる。水道の民営化である。いったいどういうことか。(以下次回)

(水ジャーナリスト・橋本淳司)

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