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サウジアラビア国王訪日「本当の狙い」は史上最大の株式上場社会・政治 投稿日:2017.03.14 17:00

サウジアラビア国王訪日「本当の狙い」は史上最大の株式上場

『首相官邸のサイトより』

 

 さすが「世界最大の石油輸出国」サウジアラビアだけに、サルマン国王のアジア歴訪の旅は豪華だ。まるまる1カ月をかけて、マレーシア、インドネシア等を経て、3月12日から15日まで日本に滞在。その後、中国、モルディブ、ヨルダンを回るという。
 

 

 この旅には25人の皇太子、10人の閣僚をはじめ、多数の軍幹部や宗教指導者など、なんと総勢1500人が同行している。昨年、息子のモハンマド副皇太子が来日したときには500人のお供を連れていたが、今回はその3倍となる。

 

 国王の乗るボーイング747「神のご加護」号は、トランプ大統領が安倍総理夫妻を乗せた「エアフォース・ワン」よりはるかに大きく、豪勢なしつらえとなっている。

 

 実は、サウジの国王は毎年、フランスなど海外でのバケーションに出かけているが、その際は家族と友人をともなうのが慣例となっている。その数は毎回1000人以上。

 

 イスラム教国では正妻は4人まで認められているが、側室は無限大。現にサウジアラビアでは皇太子の数は数千人と噂される。正確な数は不明だが、「石を投げればプリンスに当たる」と言われるほどのお国柄である。

 

 いずれにせよ、この代表団のお陰で、東京都内の高級ホテルやリムジン会社は「サウジ国王特需」でウハウハのようだ。なにせ、一行が持ち込むトランクやお土産の総重量は500トンを優に超える。それ以外にも特別仕様のメルセデス・ベンツ2台や電動リフトなど、81歳の国王専用機材も必需品となっている。

 

 それにしても、これほど大規模の海外訪問を行う理由は何なのか。事前の報道では、「トランプ大統領に会うためワシントン訪問を計画中」とのことであったが、それを後回しにしてのアジア訪問だ。

 

 要は、イスラム圏をテロ国家扱いするトランプ政権のアメリカではなく、インドネシア、マレーシア、ブルネイなどイスラム国の多いアジア地域の成長を味方につけたいとの思惑に他ならない。見方によっては、「アメリカへの当てつけ」とも受け止めることができよう。

 

 さらに言えば、このところ多少値を戻したとはいえ、原油安が長引いているため、国家収入のほぼ9割を原油輸出に依存してきたサウジアラビアにとって、未曾有の危機が迫っているからだ。

 

 2014年夏に1バレル100ドル前後だった原油価格は、2016年半ばには30ドル台にまで値下がりした。このことが、サウジアラビアの経済を想像以上に深刻な状況に追いやってしまった。

 

 そこで打ち出されたのが「サウジ・ビジョン2030」である。2030年までに石油に依存しない経済に大変身を遂げようとの計画だ。

 

 その実現に必要な資金を得るために検討されているのが国営石油会社アラムコの株式上場である。なにしろ世界最大の石油会社であり、時価総額は2兆ドルともいわれる。その5%を公開しただけで1000億ドルの上場益が得られるのだ。

 

 これは過去最大と言われたアリババ上場時の250億ドルが霞んでしまう金額だ。問題は「どこで上場するか」である。名前があがっているのがニューヨーク、シンガポール、上海、そして東京である。現在、熾烈な誘致合戦が展開されている。

 

 どうやらサルマン国王は日本と中国を競わせ、より有利な条件を得られる国での上場を目論んでいるようだ。安倍総理にも習近平国家主席にも「インフラ整備にかかわる運輸、建設、金融サービス分野での協力を求めたい」との意向を明らかにしている。

 

 日本では「安全保障の分野でも協力を」と訴え、中国とは「特殊部隊の合同訓練」で合意が得られている。巧みなサウジ王室外交の片鱗が伺えよう。

 

 今回のアジア歴訪は「サウジアラビアのソフトパワーの見せ場」といっても過言ではない。対する安倍総理は、どのような「日本的ソフトパワー」を駆使し、この歴史的訪問を活かすのか。すでに、決定の遅さにサウジ側がいらだちを見せているともされる。はたして中国との競争に勝てるのか。

(国際政治経済学者・浜田和幸)

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