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クロネコヤマト「荷物は1日150個」正社員でも給料は時給制社会・政治 2017.03.18

『配達員の専用端末に送られた一斉メール』

『配達員の専用端末に送られた一斉メール』

 

「ネット通販が普及し物流量が増えているのに、配達員は高齢化し人手不足。物流業界には構造的問題があります」(経済ジャーナリスト・溝上憲文氏)

 

 27年ぶりの料金値上げ、宅配総量抑制、巨額の残業代支払い、再配達の有料化……。業界最大手のヤマト運輸が、抜本的な改革を迫られている。この非常事態に、利用者からは「値上げやむなし」の声もあるが、問題はヤマト側にあると、溝上氏は語る。

 

「宅急便の生みの親である小倉昌男元社長の掲げた『ドライバーは神様であり、会社の代表』という企業理念のもとに成長したヤマト運輸でしたが、経営者が代替わりし、利益より売り上げ至上主義に。結果として、ドライバーがその犠牲者になったわけです。『再配達』『配達時間帯指定』といった過剰なサービスが招いた典型事例で、タコが自分の足を食っている状態です」

 

 その勤務実態を探るべく、都内某所で働くヤマトの配達員を、極秘追跡した。朝、配送センターを出た車は、集荷をしつつ配達に回る。最初の4時間で、なんと100個近い荷物を届けた。午後になると配達はいったん減り、集荷が中心になる。しかし夕方になると再び配達作業が増え、夜まで延々と続く。再配達が集中しているようだ。

 

 何より驚いたのは、配達員の体力。荷物を抱え玄関まで走り、車に戻るときも走る。この日の最後の配達は、夜8時57分。時間帯指定のリミット夜9時まで、火だるま状態で働いていた。

 

 神奈川県内を担当する配達員、Aさん(55)に、勤務の実態について聞いた。

 

「通販関連の荷物が増えているのはたしかです。毎日、アマゾンで買い物するお客様もいますよ。配達員が担当する世帯数は、1区域1000世帯ほど。1日に平均150個の荷物を配達しますが、繁忙期はこれが200個を超えます。時間指定サービスで、もっとも多いのは『午前中』。なので、正午までにおよそ100個を配達しますね。『午前中』指定の荷物のうち、不在で持ち帰る個数は、多いときで20個ほどでしょうか」

 

 Aさんは通常、午前8時から午後9時まで勤務。実際には取れないことが多いが1時間の休憩時間が引かれ、1日12時間労働だ。休日は月に9~10日。正社員だが給料は時給制で、時給1000円前後。家族手当が大きく、妻がいると7万円、子供1人につき1万円がつく。ボーナスは年2回、勤務年数で計算され、夏冬が各50万円ほど。さらに、配達した荷物の個数によって給料が加算される。

 

「大変なのは、やはり再配達です。『再配達を×時以降に』と連絡があったのに、訪問すると受取人がいないことも。さらに、その荷物がお米や水だったら最悪ですよ。会社から『時間指定は絶対守れ』と厳命されていて、間に合わないと、上司にこっぴどく怒られ、始末書のようなものを書かされます。体力的にもきついけど、正直、精神的な疲労のほうがしんどいです」

 

 今後の改善策についてヤマト運輸広報戦略部は「時間指定の変更などを検討していることは事実ですが、現時点で決定した事項はありません」と回答した

 

(週刊FLASH 2017年3月28日、4月4日号)

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