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ノーベル賞候補常連の免疫学者が語る “コロナ最終章”…カギは「ワクチン接種の加速と経口薬の認可」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.03.04 06:00 最終更新日:2022.03.04 06:00

ノーベル賞候補常連の免疫学者が語る “コロナ最終章”…カギは「ワクチン接種の加速と経口薬の認可」

 

「未来のことは誰にもわかりませんが、新型コロナウイルス感染症は、最終章にさしかかったのではないでしょうか。今後、新規感染者数は減っていき、3月中には第6波の終わりが見えるでしょう」

 

 こう明るい見通しを語るのは、世界的な免疫学者である平野俊夫氏(74)だ。

 

 

 平野氏は、炎症を引き起こすたんぱく質「インターロイキン6」の発見者で、新型コロナ重症患者にも使われるリウマチ薬「トシリズマブ(商品名アクテムラ)」の開発に寄与。ノーベル生理学・医学賞候補に、毎年名前が挙がる。

 

「岸田文雄首相は、3月から外国人入国者の受け入れ上限を緩和します。たしかに、これ以上人流抑制を続けていく必要はないでしょうが、そのためにも追加のワクチン接種を加速しなければなりません。“時間稼ぎ” をしている間に、メルクやファイザーの経口薬という “武器” が認可されたのも朗報です」

 

 平野氏が「最終章にさしかかった」と語る理由は、ワクチン接種が進み、経口薬が認可されたことが大きいという。

 

「感染症の根本的克服の要は、ワクチンと治療薬開発です。天然痘やポリオなどはワクチンにより、エイズは治療薬により人類の脅威ではなくなりました。

 

 新型コロナウイルス感染症は、SARSやMERSでは成功しなかったワクチン開発が早期に実現し、治療薬も登場しました。長年の基礎・応用研究の大きな成果です。

 

 また、歴史を見てもウイルス感染症が収まらないことはなく、当初から2〜3年間の勝負だと予想していました」

 

 平野氏は2021年5月、菅義偉首相(当時)らに提出した「同年10月末までに希望する国民全員にワクチン接種を」という提言の代表者だ。大隅良典氏、野依良治氏らノーベル賞受賞者など34人が、ワクチン接種の重要性を主張した。

 

「猛威を振るった第5波(2021年7月〜10月)が急速に収まったのは、ワクチン接種が集中的に進み、一時的な集団免疫が形成されたためだと考えています。3回目接種がもう少し早く始まり、かつ進んでいれば、第6波の拡大は、もっと小さくできたでしょう」

 

 次に来る第7波について、平野氏は「よりマイルドな形で起きるのでは」と予測している。

 

「もちろん、デルタ株のような凶悪な変異株が出ない保証はありませんので、万全の備えは必要です。しかし、光は見えています。今後は、従来のインフルエンザのように、毎年みんなが “予防接種” をすれば、コロナと共存していけるのではないでしょうか」

 

ひらのとしお
1947年生まれ 大阪府出身 大阪大学医学部卒業。大阪大学前総長、2016年より量子科学技術研究開発機構の理事長を務めている

 

( 週刊FLASH 2022年3月15日号 )

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