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「日本はウクライナより危険」政治評論家ナザレンコ氏が警鐘鳴らすワケ…橋下徹氏ら “逃げろ” 論者に反論も

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.03.15 06:00 最終更新日:2022.03.15 06:00

「日本はウクライナより危険」政治評論家ナザレンコ氏が警鐘鳴らすワケ…橋下徹氏ら “逃げろ” 論者に反論も

 

 東京・港区のウクライナ大使館前。在日ウクライナ人のナザレンコ・アンドリー氏(27)は、高々と国旗を掲げた。

 

「故郷・ハリコフでは、私が通った中学校も専門学校も破壊されました。実家から50m先の家にも爆弾が落とされ、両親はハリコフから80km離れた町に避難しましたが、そこもいつ狙われるかわかりません。恐怖と怒り、悲しみが交互に訪れる精神状態です」

 

 

 ナザレンコ氏は貿易会社に勤務しながら、ツイッターやメディア出演で、ウクライナ侵攻について盛んに発信を続けている。だが、本誌のインタビューでナザレンコ氏が強調したのは、日本の “危機” だった。

 

「今回、ロシアは日本を『非友好国』と認定しました。すでにオホーツク海や日本海で、中国軍と何度も軍事演習をおこなっており、領空侵犯も繰り返しています。ウクライナの現状は、日本にとって他人事ではないのです」

 

 そして今、中国がウクライナ情勢を注視しているという。

 

「ロシアがウクライナを占領すれば、中国は台湾侵攻を決め、沖縄や日本本土も標的になる可能性がある。中国船が尖閣諸島周辺で領海侵犯し、北朝鮮のミサイルも日本海に飛来しています。中国、ロシア、北朝鮮に囲まれた日本のほうがよっぽど危険です」

 

 日本が攻め込まれた場合、アメリカが守ってくれるという考えは甘いという。

 

「中国が尖閣を占領しても、『派兵すれば第三次世界大戦になる』といった理由をつけ、アメリカは介入しない可能性がある。どこも自国第一です」

 

“平和ボケ” の日本人には、当事者意識が決定的に欠けているという。

 

「ウクライナも “平和ボケ” でした。かつてウクライナは、ロシアとアメリカに次ぐ世界第3位の核保有国でしたが、すべての核兵器をロシアに譲り、80万人の軍隊を20万人に削減しました。代わりに米英露はウクライナの安全を保障すると約束したのです。しかし、ロシアはウクライナに侵攻し、米英は軍隊を派遣していません」

 

 日本では、これ以上犠牲者を出さないために、ウクライナは降伏すべきとの声もある。

 

「ウクライナにとっては迷惑な考えです。降伏したら、待っているのは民族への弾圧、そして虐殺です。独裁主義に勝たせた先例を作ってはなりません」

 

 橋下徹氏など、「逃げろ」とまで言う論者もいる。

 

「ポーランドに逃げたら、今度はポーランドが侵攻されてしまうかもしれない。一度領土を譲れば、ウクライナ人の居場所はどこにもなくなる。そもそも、先祖代々の土地を明け渡す理由などありません」

 

 最終的には、兵力や装備で圧倒しているロシアが勝利するーーこの見方にも、ナザレンコ氏は反論する。

 

「ロシアの計画では2日間でキエフを落とすはずが、2週間戦って大都市をひとつも占領できていない。ロシアはすでに負けています」

 

 そして、ロシア国民の反戦感情も高まっている。

 

「ソ連崩壊後のロシアで生まれた世代は、西側の自由を当たり前のように享受してきたので、ロシアが “大きな北朝鮮” になることを絶対受け入れないでしょう。最後はクーデターで、プーチンが失脚することを祈っています」

 

 私たちに代わって、ウクライナは民主主義を守るために戦っている。

 

( 週刊FLASH 2022年3月29日・4月5日号 )

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