社会・政治
Twitterで急増する「凍結脅迫」…狙われた有名ソープ嬢が語る悪質ぶり「被害は数百万円にも」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.04.22 06:00 最終更新日:2022.04.22 06:00
情報発信ツールとして、日本にも定着して長いTwitter。しかし、そのTwitterの「凍結機能」を使った脅迫や、さらには金銭まで要求する違法行為が増えているのだという。凍結されたアカウントは、ツイートを発信することができない。
実際にこの被害を明かしてくれたのは、東京都・吉原のソープランド「女帝」に勤務するたちばなさん(20)。たちばなさんは大手風俗案内サイトの都内版で常時、10位以内をキープする有名ソープ嬢だ。
【関連記事:相次ぐ「性加害報道」に吉高由里子が嘆き…千秋の告発ツイートにも再び注目集まる】
「発端は、とある風俗系の有名ツイッタラー・A氏のツイートでした。私の知人であるB氏について、『売春あっせんや風俗関係従事者への脅迫に協力して利益を得ている』とつぶやいていたのです。これに対して、私が『その証拠はあるのですか』と反論したことで、私やB氏の知人・友人に“攻撃”がきました。そして、私のTwitterアカウントが凍結されてしまい、何も発信できない状態に陥ってしまったのです。
そこで弁護士を立ててA氏に質すと、知人の『凍結屋』に依頼し、私やB氏の関係者のTwitterアカウントが凍結になるように工作していたということがわかりました」
凍結屋とは、故意に他人のアカウントを凍結させ、解除をチラつかせて金品を要求する悪質アカウント。2020年ごろからその存在がSNSで被害が散見されるようになり、昨年末から爆発的に被害報告が増えたという。
「ロックさせたアカウントに連絡し、金銭要求する手口です。アカウントを人質にして身代金を要求するわけです。要求額が1万円から2万程度と少額なこともあって、なかなか被害実態が見えてきませんでした」とは、ITジャーナリストの井上トシユキ氏。
日本ハッカー協会理事で、上場IT企業のセキュリティ部門の担当取締役を歴任した石川英治氏は、凍結屋の手口についてこう解説する。
「ハッカーのような技術があるわけではありません。何らかの虚偽報告をTwitter社に通報するだけです。恐らく、売買などで大量のアカウントを保有していて、そこから一斉に虚偽の通報をしたのでしょう。Twitter社は偽物販売などの著作権侵害の通報があるアカウントについては、AIがそれを一時凍結して、その後、調査に入ります。その一時凍結の間に脅迫行為をするわけです。
金銭をだまし取った後は、『勘違いだった』とか『和解したから』などと通報を取り下げることで、凍結が解除される可能性があります」
たちばなさんの場合、A氏からの一方的な思い込みによる攻撃だったため、金銭要求はなかったそう。しかし、A氏から依頼を受けた凍結屋がB氏関係者として暴露したアカウントは、軒並み凍結されたというから、凍結屋の関与があったことは間違いないという。身代金被害はなかったが、最近の風俗業界では、SNSを活用した顧客獲得がトレンドになっていることもあり、アカウントの突然の凍結による金銭被害は甚大だったという。
「当時、予約のツールとしてTwitterを使っていた私にとって、まず翌月分の予約獲得がまったくできなくなりました。私の場合、出勤日も一日4枠しかないので、前月予約で完売になるんです。それだけでも被害額は数百万円にもなります」
さらに、こう続けた。
「これまで、自分のことだけではなく、ソープランドに興味を持ってくださる方への情報発信をしていました。Twitter社からペナルティーを受けたということは、私だけでなく業界全体の信用にも関わることなのです」
そもそもはA氏の思い込みから始まったことでも、「それを解くための労力、精神的な疲労は膨大だった」とたちばなさんは語る。アカウントは最近、凍結から解除されたそうだ。
「Twitter社では凍結屋の存在について認識しているようで、虚偽通報があったアカウントの洗い出しをしているようです。似たような行為があったアカウントは順次、凍結させているようで、この場合、ほぼ永久凍結処分になり、新たに取得したアカウントでもIPアドレスなどから同一性が認められれば、即座に凍結させると広報しています。つまり、“Twitterからの永久追放”という処分が下されるわけです」(前出・井上氏)
誰にでも情報を発信できるSNSだからこそ、悪質な手口も増えてきている。
( SmartFLASH )