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台湾東部沖でM6.1…九州・沖縄地方への地震を専門家が警鐘「石垣島に30mの大津波が来た史実も」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.05.11 21:40 最終更新日:2022.05.11 21:43

台湾東部沖でM6.1…九州・沖縄地方への地震を専門家が警鐘「石垣島に30mの大津波が来た史実も」

熊本県では2016年4月14日、最大震度7を記録する大地震に見舞われた(共同通信)

 

 5月9日、震源地を与那国島近海とするマグニチュード(M)6.1の地震が発生し、沖縄県で最大震度3を観測した。

 

 気象庁は当初、「台湾付近を震源とするM8.0程度の地震」「最大震度5弱程度が予測される」と発表したが、実際はそれよりも小規模の地震であったことが後にわかり、混乱が生じる一幕もあった。

 

 台湾東部沖では、3月23日にもマグニチュード6.6の地震が発生したばかりだ。この地域で頻発する地震には、どのようなメカニズムが働いているのか。武蔵野学院大学の島村英紀特任教授が解説する。

 

 

「震源地付近には、フィリピン海プレートの海溝がかかってきますから、そのプレートの動きが、今回を含め台湾沖の地震を引き起こしていると考えられます。

 

 じつは、フィリピン海プレートの動きが速いのが、気になっているのです。世界のプレートでは通常、動きは1年に1cm程度ですが、フィリピン海プレートの場合、南から北に4.5cmもの動きを見せています。

 

 東日本大震災のときには、太平洋プレートが8.5cmも動きましたが、これが観測史上最大の動き。それを考えると、今のフィリピン海プレートの動きは非常に大きな数字です。

 

 恐れられている南海トラフの巨大地震も、このプレートが作用して発生するものです。南海トラフ本体は、M9レベルのものが到来すると考えられています」

 

 今回の地震では、沖縄本島や九州地方に甚大な被害を及ぼすことはなかった。しかし今後、この近海での地震が日本列島に大きな被害をもたらすことを想定しなければならない、と島村特任教授は警鐘を鳴らす。

 

「フィリピン海プレートは、台湾沖から沖縄諸島、九州地方へとつながっていますから、今回と同様か、それ以上の規模の地震が、沖縄や九州で発生することは十分ありえます。

 

 また、今回と同様の地域で地震が発生したとしても、巨大な津波が日本を襲う危険性を考えなければいけません。実際に、5月9日の震源地からほど近い、石垣島沖でかつて発生した地震の影響により、沖縄列島に日本史上最大の津波が来たことがあるんです。

 

 それは、1771年に発生した『八重山地震』と呼ばれている地震です。このとき、東日本大震災の時のほぼ2倍にのぼる、約30mの津波が先島諸島を襲ったといわれています。この津波で、石垣島の当時の人口の、ほぼ半分となる約8000人が死亡、または行方不明になりました」

 

 島国日本では、津波への警戒を常に怠ってはいけないのだ。

 

( SmartFLASH )

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