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1ドル130円超は「恩恵的円安」気鋭エコノミスト3人が予想する日本経済に“神風”が吹く日

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.05.20 06:00 最終更新日:2022.05.20 06:00

1ドル130円超は「恩恵的円安」気鋭エコノミスト3人が予想する日本経済に“神風”が吹く日

対ドルの円相場は値下がり傾向が続き130円台を突破した(写真・朝日新聞)

 

 2022年4月28日、1ドル=130円台と20年ぶりの円安水準を記録。長年のデフレ下で円高は敵視されてきたが、今度は「悪い円安」ともいわれている。

 

 結局、円安は日本にとって“天国”か“地獄”か。 今回、本誌は“天国派”を掲げる気鋭のエコノミストに尋ねた。

 

 

元内閣官房参与の高橋洋一氏

 

■金融緩和を続ける日本だけが経済成長する

 

「今、メディアでは『円安が国を滅ぼす』といった議論が盛んですが、それは的外れな主張。経済効果を考えれば、円安は国を滅ぼすどころか、国益そのものです」

 

 こう話すのは、元内閣官房参与の高橋洋一氏だ。

 

 日銀の黒田東彦総裁は、円安について「現状ではプラス面のほうが大きい」と発言している。

 

 対して、日本商工会議所の三村明夫会頭は「大きな経営上の問題になる」と懸念を示す。

 

「こうした見解の違いは、それぞれどこに着目するかによって生じるのです。円安は輸出企業にとってはメリットですが、輸入企業にとってはデメリットとなるのは事実です。

 

 中小企業の場合、大企業と比べて輸出が少ない半面、輸入が多く、円安によるデメリットを受けやすい。三村会頭の意見は、中小企業の声を代弁しているのです」(高橋氏)

 

 だが、日本経済全体を見れば、円安のメリットのほうがはるかに大きいという。

 

「黒田総裁の発言は、日本経済全体を考慮したものです。輸出企業は大企業が多く、いずれも世界市場で伍していけるエクセレント企業です。エクセレント企業に恩恵をもたらす円安のほうがインパクトは大きく、日本経済全体のGDPを押し上げる効果があるのです。

 

 もちろん、GDPが増えれば雇用拡大に繋がり、労働者にとってもメリットとなります」

 

 IMFの世界経済見通しによれば、2022年の経済成長率は、欧米は2021年より低くなるが、日本の経済成長率は高くなるとされている。

 

「これは日本だけが金融緩和を続け、円安を維持して経済成長するとともに、世界経済のマイナスを補填することを示しています。

 

 経済成長を促す円安を是正しろという声が海外から上がるのならまだしも、国内からそうした声が上がるのは、明らかに『国益』に反する。驚くべきことです」(同前)

 

( 週刊FLASH 2022年5月31日号 )

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