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ロシア侵攻前の「美しきウクライナ」在住日本人が撮った貴重な写真を一挙公開【画像30枚】
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.05.21 11:00 最終更新日:2022.05.21 11:00
【平野高志氏が推薦する「現在のウクライナ情勢」を知るうえで有益な8冊】
●平野高志『ウクライナ・ファンブック』(パブリブ)
拙著。私は、ロシアは2014年からずっと、世界の人々がウクライナに対して無知で無関心でありつづけること、「ウクライナがどうなろうと知らない」と思うことに賭けて、勝負していると思っている。ロシアに対抗するには、多くの人がウクライナのことをよく知ることが重要であると考えて書いた。
●真野森作『ルポ プーチンの戦争 「皇帝」はなぜウクライナを狙ったのか』(筑摩選書)
2014年以降、ロシア・ウクライナ武力紛争の現場に何度も足を運んだ記者によるルポルタージュ。複雑な戦争のなかにある人々の声を拾い上げて、プーチンによる対ウクライナ戦争の本質に光を当てた労作。
●古川英治『破壊戦 新冷戦時代の秘密工作』(角川新書)
ロシアがウクライナを含めて世界各地でおこなっている、暗殺、偽情報・ネット工作、移民の悪用、西側政治家の取り込み、マネーロンダリング、サイバー攻撃といったさまざまな工作活動について、現場まで赴いて実態を調べ上げた「スリリング」かつロシアを知る上で非常に有益な作品。
●チャールズ・キング『黒海の歴史 ユーラシア地政学の要諦における文明世界』(明石書店)
「クリミアはもともとロシア」など、ロシアが作り出した「神話」を打ち砕くために、ロシア帝国史観と異なる視点を得る必要がある。その一つの手段が、この地域を「ある国の歴史」としてではなく、地域史として複眼的に見ることである。本書は、黒海地域という人と文化の交差する場としての歴史を綴っている。
●黒川祐次『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』(中公新書)
駐ウクライナ大使を務めた外交官による、ウクライナ史を読みやすく学べる本。現在のウクライナの人々のロシアに対する見方を歴史面から学べる。
●『クリミア・ハン国 歴史・国家・社会』
同人誌だが、現在の戦争の背景にあるクリミアの歴史を日本語で読める貴重な本。英語なら『This Blessed Land: Crimea and the Crimean Tatars』もよい。これも「クリミアはもともとロシア」というロシアの帝国史観に含まれる神話要素を理解するために重要。
●中井和夫『ウクライナ・ナショナリズム 独立のディレンマ』(東京大学出版会)
ウクライナ人とはどのような人々なのか、さまざまな角度から学術的に分析した日本のウクライナ研究の大家による名著。最近再販が決まったと聞く。
●岡部芳彦『日本・ウクライナ交流史 1915-1937』(神戸学院大学出版会)
ウクライナと日本の人々の活動の交わりに焦点を当て、貴重な資料を丁寧に追いかけて書かれた良書。2022年4月、同書の続編(1937-1953)が出版されている。
ひらのたかし
1981年生まれ 鳥取県出身 東京外国語大学ロシア・東欧課程卒。リヴィウ国立大学修士課程修了。2008年よりウクライナ在住。在ウクライナ日本国大使館専門調査員を経て、「ウクルインフォルム通信」日本語版編集者
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