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菅義偉、演説2000人集め “成果おじさん” 人気に満足げ…麻生太郎氏と関係修復で “菅派” メンバーの足場固め
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.05.29 06:00 最終更新日:2022.05.29 06:00
5月22日、神奈川県・桜木町駅で参議院議員・三原じゅん子氏(57)の応援演説に登場した小泉進次郎氏(41)が、開口一番、聴衆に呼びかけた。
「いま菅 “総理” は出張先からここに向かっていて、私と三原さんで、菅さんが来るまでつなぎますから。どうかみなさん、菅 “総理” が来るまでお待ちいただければと思います」
菅義偉氏(73)が内閣総理大臣から退任したのは、2021年10月のこと。正確に言えば “前総理” なのだが、小泉氏が間違えてしまうほど、いま菅氏が総理時代に発揮した手腕が注目を集めているということだろう。
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この日、桜木町駅前には多くの聴衆が集まった。三原氏のInstagramの投稿には「#2000人以上」というハッシュタグがつけられるほど。到着した菅氏が「みなさん、こんにちは」と口にすると、観衆からも大きな声援が上がった。
最近になって、健康不安説も取り沙汰された菅氏だが、菅内閣がコロナ対策でワクチン接種を積極的に進め、携帯電話料金の値下げ、不妊治療の保険適用を実現させた成果がいまになって評価されていることに満足げだという。
「民間の講演会なども積極的に引き受けています。最近は健康を気にされてか、奥様が帯同することも多いのですが、これは菅さんの気分が高揚しているときの特徴です。
自分でも『講演会の出席者から(ワクチン接種の推進について)ありがとう、と言われることが多いんだ』と、周囲に嬉しそうに語っているそうです」(自民党中堅議員)
2022年に入り、菅氏による勉強会発足の動きが起こり「菅派発足も近い」と噂された。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻が始まると、徐々にその動きは萎んでいった。勉強会発足は、早くても7月の参院選後と見られている。
そんななか、米国のバイデン大統領が来日した5月23日、菅氏は志公会(麻生派)総裁の麻生太郎氏と2人きりの会食をおこなった。
もとより “不仲” として知られる2人。さらに2022年に入って佐藤勉氏(69)が、ほかの議員を連れ立って麻生派から離脱してもいる。佐藤氏は菅氏の勉強会発足の中心人物と見られ、そのことも不仲に拍車をかけていたことから、この会食に自民党内や永田町は騒然となった。
菅氏に近い議員は「腹の内」をこう推測する。
「内閣改造を目指して河野太郎氏の幹事長就任を打診したところ、河野氏の派閥の領袖の麻生さんが首を縦に振らなかった。このことで菅政権は退陣に追い込まれたわけですから、菅さんにとっても麻生さんは因縁の相手です。
しかし、麻生さんは岸田(文雄)首相のいわば後見人で、内閣ポストの決定にも影響を持つ人物です。それで、グッと堪えて、関係を構築することを選んだのでしょう。
というのも、“菅派” とされる議員には4回生が多く、派閥がなくとも自身を支えてくれる議員たちに、親分としてはせめてポストだけでもあげたいもの。参院選後の内閣改造で、副大臣や政務官のポストを割り当ててもらいたいからなんです」
勉強会発足を一度見送るなど、派閥結成に向けて、菅氏は慎重に事を進めていくつもりだ。
「わざわざ麻生派を抜けた佐藤さんには悪いが、“菅派” の結成を先送りにしたことなどを麻生さんに報告したのでしょう。麻生さんとしても、安倍(晋三)さんとの蜜月が終わり、岸田首相が政権運営で苦戦しているなか、菅さんの人気にあやかりたい。
かつて『加藤の乱』で挫折した経験がある菅さんだけに、無駄に敵は作らない。選挙を終え、側近たちの足場を固めてから派閥作りをしても、いまの “菅人気” があれば遅くはないと踏んでいるはずです」(前出・菅氏に近い議員)
コロナ前の “令和おじさん” 人気で首相に上り詰めた男が、コロナ後は “成果おじさん” 人気で派閥結成を目論んでいる。
( SmartFLASH )