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麻生・岸田がたくらむ「小泉進次郎首相」誕生の現実味…“小泉劇場” 再来で狙う自民党の “復権” シナリオ

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記事投稿日:2025.06.04 19:15 最終更新日:2025.06.04 19:35
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
麻生・岸田がたくらむ「小泉進次郎首相」誕生の現実味…“小泉劇場” 再来で狙う自民党の “復権” シナリオ

2025年5月22日、大臣就任翌日に開かれた衆院本会議で挨拶攻めにあう小泉進次郎農水相(写真・長谷川 新)

 

“コメ大臣” を自称する小泉進次郎農水大臣の躍進が止まらない。就任からわずか10日あまりで「米価5kg2000円」を実現し、一気に注目度を上げた。これにより、「進次郎首相」の現実味が増してきたようだ。

 

「けっして荒唐無稽な話ではありません。自民党内の反主流派が、石破首相の退陣→進次郎総理解散→衆参ダブル選挙という政界を揺るがすシナリオで動き始めています」

 

 

 こう明かすのは、元朝日新聞政治部デスクの鮫島浩氏だ。「反主流派」の中心となるのは、麻生太郎元首相と、茂木敏充前幹事長。彼らの思惑とは――。

 

「自民党は、2024年秋の衆院選で大敗。自公で過半数を割る少数与党となって、厳しい国会運営を強いられています。こうした状況を打開するには、維新か国民民主か立憲か、野党を引き込んで連立政権の枠組みを拡大するしかありません。

 

 では、どこと組むか。主流派の森山裕幹事長が描くのは、参院選後に野党第一党となるはずの立憲と組む大連立構想です。今回、立憲の年金改革修正案に合意したのは、その布石でしょう」(以下、「」内は鮫島氏)

 

 立憲と組みたい主流派に対し、麻生氏や茂木氏など反主流派は、国民民主党との「自公国連立政権」で対抗しようと模索してきた。

 

「しかし、ここへきて山尾志桜里氏の参院選擁立で反発を招いた “山尾ショック”、備蓄米に対する玉木雄一郎代表の『動物のエサ』 発言などで、国民民主党の支持率は急落しています。

 

 麻生氏らは『玉木総理』プランを想定していましたが、玉木氏の人気がなくなれば、玉木氏を総理に担いでも意味がなくなるわけです。

 

 玉木氏の失速にともない、森山氏の『自公立』の大連立構想が実現しそうなムードでしたが、そこに『令和のコメ騒動』が起き、登場したのが小泉農水大臣です。これでシナリオは大きく変わりました。政界の主役の座が、玉木氏から進次郎氏に入れ替わったわけです」

 

 これを機に息を吹き返したのが、自民党の反主流派だ。

 

「進次郎首相で国民の支持率を上げ、そのまま衆院ダブル選で圧勝、自民党の “復権” を狙う、というのが、党の喫緊の目標です。国民民主の失速で、反主流派は担ぐ人物がなくなっていたのが、ここへきて進次郎氏という強力なタマを担げる可能性が出てきたわけです。

 

 かつて父・純一郎氏が、郵政選挙で郵政民営化に反対した議員を “抵抗勢力” と名指しして、刺客を送り込んで圧勝したように、“小泉劇場” が再び出現し、自民党は圧勝するでしょう。衆議院で自公が過半数を回復するのは確実です。

 

 これには、農水族のドンである森山氏を潰す意味もある。いまは少数与党で野党の協力が必要だから、野党に太いパイプのある森山氏に権力が集中していますが、衆参ダブル選で圧勝すれば、森山氏の力は必要なくなるわけです。反主流派にとって、『進次郎総理』は “森山潰し” の切り札でもあるんです」

 

 では、「進次郎総理」の実現可能性はどれくらいあるのか。最大の難関は石破茂首相が辞任するかどうかだ。

 

「石破首相が退陣するとしたら、1つは野党が内閣不信任案を提出したときです。少数与党なので、野党が結束すれば不信任案は通るわけです。しかし、自民党主流派の森山氏と近い立憲は、不信任は出さないと思われます。

 

 となると、『このままでは参院選はボロ負けする』と石破首相を説得するしかない。石破首相も、もちろんやめたくはないでしょうが、参院選で勝てないだろうとは思っているでしょう。

 

 説得役は、たとえば岸田文雄前首相が担えるかもしれません。岸田氏は、『“玉木首相” もあり得る』とテレビで発言していますが、国民民主の失速でその芽はなくなりました。進次郎氏に目をつけても不思議ではありません。

 

 石破首相を説得して自ら辞めさせる。そして、すぐに自民党総裁選をやれば、進次郎総裁が誕生する可能性はきわめて高いでしょう」

 

 だが、石破首相が退陣し、進次郎氏が自民党総裁になっても、総理になれるとは限らない。少数与党である現状では、国会での総理指名で野党の票を取り込む必要があるからだ。だが、進次郎氏であれば、それは実現可能だという。

 

「『進次郎氏と組めば選挙に勝てる』と、維新と国民民主がすり寄ってくる可能性があります。進次郎氏も、立憲には拒否反応がありますが、維新と国民民主との連立は否定していません。

 

 維新は大阪選挙区での候補取り下げ、国民民主はガソリン税など減税政策の一部受け入れを提示すれば、連立に応じる可能性は高まります。

 

 こうした連立工作が整えば、衆院解散に持ち込むことができます。これが、反主流派が描くシナリオです」

 

 いずれにしても、石破首相が辞任することが前提となる。石破首相は、内閣不信任案が提出された場合、採決を待たずに衆院を解散する方向で検討に入ったと、6月2日付の朝日新聞が伝えている。これは立憲への牽制ともみられるが、不信任案が可決されれば内閣総辞職も選択肢に含まれる。

 

 6月22日の国会会期末まで2週間あまり。何が起こるかわからない今、「進次郎総理で衆参ダブル選挙」が起きても不思議ではない。

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