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BTSはバイデン大統領と会談、映画も配信ドラマも世界を席巻…韓国エンタメを“アジア代表”にした国家戦略
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.06.01 15:55 最終更新日:2022.06.01 15:58
韓国のアイドルグループ・BTSが現地時間5月31日、米国のホワイトハウスを訪れた。バイデン大統領と多様性について意見を交換しあったとされるが、彼らはなぜ、ホワイトハウスに招かれたのだろうか。
「新型コロナウイルスの感染拡大以降、米国において社会問題化しているのがアジア人へのヘイトクライムです。3月、ニューヨークのアパートで、67歳のアジア系の女性を激しくののしりながら125回以上殴ったとして、42歳の男性が逮捕されました。
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また同月、マンハッタンの中心部で、2時間のあいだにアジア系の女性7人の顔を殴るなどして、28歳の男性が逮捕されました。2022年に入って、米国内で報道されたアジア人への暴力事件は枚挙にいとまがありません。
そんな現状に歯止めをかけるため、“もっとも影響力を持つアジアのスーパースター”として、BTSが招かれたというわけです」(現地ジャーナリスト)
バイデン氏との会談を前に、記者会見場に姿を見せたBTS。メンバーのひとりであるジミンは、「アジア系らを対象にしたヘイトクライムが最近、急増していることにぼうぜんとしています。これに歯止めをかけ、再び声を上げる機会にしたいです」と発言した。
「全世界に『ARMY』と呼ばれるファンを持つBTS。2020年に発表した楽曲『Dynamite』は、ビルボードで1位を獲得。アジア発の曲としては、坂本九さんの『上を向いて歩こう』以来、57年ぶりの快挙でした。
そのほか、グラミー賞に並ぶ権威ある賞『アメリカン・ミュージック・アワード』では、2021年の最優秀アーティスト賞を受賞。音楽業界において、BTSは“アジア代表”という立ち位置を揺るぎないものにしているのです」(音楽誌ライター)
韓国エンタメの勢いは、BTSだけにとどまらない。2020年にはポン・ジュノ監督による『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞で4冠を獲得。Netflixで2021年に公開された『イカゲーム』は、配信開始から4週間で世界1億4200万世帯が視聴し、同サービス最大のヒット作となった。
「韓国エンタメは、アイドル育成においても映像制作においても、莫大な労力と金がかかっています。アイドルは、幼いころから事務所で“練習生”として、歌やダンスに磨きをかけていることは知られていますが、俳優陣も、学生時代から『学問』として映像や演技を専門学校で学ぶのです。
韓国政府は、かねてからこうしたエンタメカルチャーの拡散に国家予算を投じていますが、コロナ禍以降は、オンラインコンサートのためのスタジオを設立するなど、非対面での文化拡散に力を入れています。TikTokやYouTubeなどで、BTSが“アジア代表”としてバズり続けているのは、こうした国家戦略も一役、買っているのでしょう」(韓国在住ライター)
日本では現在、Netflixでヒットした韓国ドラマ『梨泰院(イテウォン)クラス』のリメイクである『六本木クラス』(テレビ朝日系)が制作されている。
( SmartFLASH )