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警察庁「テロ脅威なくなっていない」イスラエル大使「愕然とした」重信房子最高幹部出所でマスコミお祭り騒ぎも世間は「冷静な目」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.06.03 20:20 最終更新日:2022.06.03 20:28
6月2日におこなわれた警察庁長官の定例会見で、中村格(いたる)長官は日本赤軍のテロ組織としての危険性を、あらためて指摘した。
「解散を表明しているが、解散は形だけのものに過ぎず、テロ組織としての危険性がなくなったとみることは到底できない」
5月28日に、重信房子・日本赤軍元最高幹部が、20年の刑期を終え出所したことに関連しての発言だ。
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1970年代に世界各地でテロ事件を引き起こした、日本赤軍。1972年5月30日には、イスラエルの国際空港でメンバー3人が自動小銃を乱射、26人が殺害され、73人が重軽傷を負う「テルアビブ空港乱射事件」を起こしている。
事件から50年が経った翌日の5月31日には、ギラッド・コーヘン駐日イスラエル大使が、Twitterに以下のような投稿をおこなった。
《1972年にロッド空港で発生した乱射事件から50年を記念する集会に参加した岡本公三容疑者、および先週末出所した重信房子元最高幹部が温かく迎えられる姿を見て愕然としました。》
《イスラエルの歴史上最も恐ろしいテロ攻撃の一つ、ロッド空港乱射事件から50年が過ぎました。 理性ある人なら、26人の罪のない民間人の殺害に関与した人々への支援を表明し、祝福することはできないはずです。そしてそれは、事件から50年が経過した現在でも同様です》
「警察庁長官、イスラエル駐日大使の発言はともに、重信の出所を喜ぶ支援者たち、さらにはそれを報じるマスコミの姿勢に触発されたものです」と語るのは、全国紙の記者だ。
「重信は出所直後、医療刑務所近くの公園で会見をおこなったのですが、『WE LOVE FUSAKO』と書かれた横断幕をバックにしていたのには、さすがにあきれました。刑期を終えたとはいえ、多くの犠牲者を出したテロ組織の中心人物ですよ。支援者たちはお祭りのような騒ぎぶりです。
マスコミでは、TBS『報道特集』の金平茂紀キャスターが、嬉々として質問していたのが印象的でした。“左寄り”といわれる新聞の記事やコラムには、その端々から、重信に対する憧憬のようなものが感じられるものがいくつもありました。メディアは今後も『独占インタビュー』などと、重信をありがたり、特別扱いした報道を続けるんでしょう」
だが、SNS上に並ぶ声は冷静だ。
《重信房子は自分の罪を反省する素振りはなかった。積極的に肯定はしていなかったが、否定もしていないのは、罪は償ったんだから今後は好きなようにやらせて貰うと言うことだろう。こんなのをテレビで見せるのか?テロを認めるようなもの。》
《今後の動向の報道は一切不要。その代わり公安の徹底マークで観察と行動管理を》
《重信さん、なんだかんだで政治に色気満々。周囲が情報を吹き込んでるのだろうけど、娘さんが政治利用しているような気がして》
いかなる理由があろうとも、殺人に関与した事実と、テロリズムを正当化することはできない。
( SmartFLASH )