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高市早苗氏「消費税は社会福祉のみに使われる」発言に「平気で嘘をつく」の声…安倍元首相も明言した「借金返済」“内訳”
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.06.20 17:59 最終更新日:2022.06.20 18:02
6月19日、NHK『日曜討論』での、自民党・高市早苗政調会長の発言が物議を醸している。
れいわ新選組の大石晃子政審会長が、「数十年にわたり法人税は減税、お金持ちはさんざん優遇してきた」として、消費税減税をしないのはおかしいと追及すると、高市氏は「れいわ新選組から消費税が法人税の引き下げに流用されているかのような発言がこの間から何度かあったが、まったくの事実無根」と、色をなして反論。さらに、消費税は法律で社会保障に使途が限定されているとして「デタラメを公共の電波で言うのはやめていただきたい」とまで言い放った。
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高市氏の発言はTwitterで拡散され、《♯平気で嘘をつく高市早苗》がトレンド入り。
《嘘ついてるのは高市さんでしょう 税収の変化を見れば消費税の税収が上がり、法人税の税収が下がってるのは明らか どこがデタラメなの?》
Twitterでは、1990年度の税収と2020年度の税収を比較する表をつけ、高市氏を批判する声が巻き起こった。
たしかに、拡散した税収表を見ると、1990年度の消費税収(税率3%)は4.6兆円だったが、2020年度(10%)は21.7兆円に。一方で、1990年度の法人税収(40%)は18.4兆円だったが、2020年度(23.2%)は、12.1兆円。この数字を見ると、消費税が法人税減税の穴埋めに使われているように見える。
「しかしこの税収は、30年間で増えた莫大な社会保障給付を見過ごしています。この30年で社会保障給付(年金、医療、介護、子育て)は40兆円から140兆円に増え、その赤字分を一般会計から穴埋めしています。2022年度でいえば、赤字の穴埋めは36兆円に対して、消費税収は22兆円。つまり消費税だけでは赤字を穴埋めできず、国債の発行、つまり借金を重ねている状態なのです。『消費税が社会保障にすべて使われている』というのは、あながちウソではないのです」(政治部記者)
消費税を国の借金返済に使ってきたことは、安倍晋三元首相も認めている。2019年1月28日の施政方針演説で、安倍氏はこう述べていた。
《少子高齢化を克服し、全世代型社会保障制度を築き上げるために、消費税率の引上げによる安定的な財源がどうしても必要です。10月からの10%への引上げについて、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。
8%への引上げ時の反省の上に、経済運営に万全を期してまいります。
増税分の5分の4を借金返しに充てていた、消費税の使い道を見直し、2兆円規模を教育無償化などに振り向け、子育て世代に還元いたします》
消費税が10%に上がっても、充実した社会を実感できないのは、膨大に膨れ上がる社会保障費に国の税収がついていけていないからだ。いずれにせよ、これ以上、ツケを将来に回すことだけは許されない。
( SmartFLASH )