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「水不足」と「電力不足」が襲う日本…ネットでは「岸田、原発動かせ」の大合唱

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.06.27 21:55 最終更新日:2022.06.27 21:56

「水不足」と「電力不足」が襲う日本…ネットでは「岸田、原発動かせ」の大合唱

電力需給に関する検討会合(写真・時事通信)

 

 気象庁は6月27日、九州南部、東海、関東甲信の梅雨明けを発表した。平年と比べ、九州南部は18日、東海と関東甲信は22日も早く、特に関東甲信地方は、1951年の観測開始以来、最も早い梅雨明けとなった。

 

 四国や中国、関西地方などの梅雨明けはまだだが、厳しい暑さが続いており、発表も近いとみられる。

 

「これだけ梅雨が短いと、懸念されるのが『水不足』です。特に西日本では梅雨時期の雨が少なく、ダムの貯水率が低下しています。

 

 

『四国の水がめ』と言われる高知県・早明浦ダムの貯水率は、27日18時の時点で34.8%まで低下。平年この時期だと85%なので、半分以下ということになります。

 

 吉野川流域では6月5日から第二次取水制限がおこなわれており、この先が心配な状況です。岡山県でも14年ぶりに渇水対策本部が設置されるなど、事態は深刻です」(社会部記者)

 

 梅雨明けと同じ27日、経済産業省は全国で初めてとなる「電力需給逼迫注意報」を東京電力管内で発令した。猛暑が続く28日も注意報は継続する。また東北電力、北海道電力も29日に電力需給が逼迫する可能性があるとして「需給逼迫準備情報」を出した。

 

「水不足」と「電力不足」のダブルパンチで、ネット上ではこんな心配をする人たちが。

 

《これ下手すると渇水だけじゃなくてダムに水が溜まってなくて水力発電の発電量も足りなくなるルートなんでは……》

 

《いや実際問題こんな早く梅雨明けたら頼みの綱の水力発電すら満足に使えない》

 

 実際はどうなのか。今後の電力事情もあわせ、元経産省の官僚で、エネルギーコンサルタントの宇佐美典也氏に聞いた。

 

「現在の日本では、エネルギー構成に占める水力発電の割合は小さく、影響も限定的です。そこはそれほど心配する必要はないでしょう。

 

 ただ、この先も電力不足は続くと思います。猛暑で電力需要が一気に上がったのですが、老朽化した火力発電所の廃止が続いており、電力の需要に供給が追いつかない状況です。

 

 ただ、2022年3月の福島県沖地震の影響で止まっている火力発電所がいくつかあるので、それらが復旧してくれば、少しは状況も改善されるはずです」

 

 ネット上では、深刻な電力事情から原発再稼働を望む声が少なくない。

 

《熱波押し寄せ熱中症警報鳴り響く中 国民に命がけの節電要請を決断できるのに なんで原発再稼働を決断できんのだ岸田》

 

《一度、ブラックアウトして熱中症の死者が多数出るまで気が付かんのかね。(・∀・) 原発再稼働で良い》

 

「再稼働といっても、原発はそんなにすぐには動かせない。動かすためには準備段階から最低でも1年はかかります。原子力規制委員会がストップをかけている東京電力の柏崎刈羽原発がその状態です。東北電力の女川原発は、現時点で2024年2月に再稼働の予定となっています」(宇佐美氏)

 

 現在、日本で稼働している原発は、

 

・大飯発電所3号機(関西電力)
・伊方発電所3号機(四国電力)
・川内発電所1号機2号機(九州電力)

 

 の4基のみ。西日本は水不足だが、原発が稼働しているので、電力不足の懸念はない。逆に東日本は、いまのところ水不足は心配ないが、稼働している原発がゼロなので、電力が不足しているのだ。

 

 問題は、夏だけでなく、冬も電力不足が続くこと。2022年3月には、福島県沖地震により一部の火力発電所が停止。気温の低下による電力需要増加で需給が逼迫し、東北と関東で最大300万軒停電する可能性があった。

 

 幸いにも停電は避けられたものの、冬の停電は命に直結する。原発の再稼働を本気で議論するときかもしれない。

 

( SmartFLASH )

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